理系女子の活動日誌 2【QK】

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｢それ、やだ｣


それ、と言われるものが何を指しているか私にはわからなくて、それってなんですか、と聞くと不貞腐れた表情でゆっくりと音が聞こえてきた。


｢そうくんってよぶの、僕なんか嫌だ。僕のこともくん付けで呼んでよ｣


捨てられた子犬のように甘えた視線で見られても、私もさすがに申しわけないです、と答える。水上さんはいいんだから僕だっていいじゃんか、と引き合いに出されたら断れるはずもなく、よしあき、くんとゆっくり口にする。


｢うん、Aちゃん。そっちの方が僕も嬉しい｣


目を細めて微笑むよしあきさ...よしあきくんに、よくわからないけど私も微笑む。年上のはずなのに、私よりも甘え上手で、でも自分の考えをしっかりと持つ大人で、ギャップ萌えと言うやつかもしれない。


｢おまたせー、こうちゃんは？｣


｢お兄ちゃんが遅いから寝ちゃったよ｣


｢まじかよ！俺浴槽の蓋開けっ放しなんだけど｣


こうちゃん起きろ！と床にふせるこうくんを軽く足蹴にし、うーん、と声がしてこうくんの目が重々しく開く。俺寝ちゃってましたか、なんて言うもんだから、自分でわかんないの！？なんてよしあきくんが笑いながらつっこむ。


｢あ〜よくねた。すみません、お風呂お借りします｣


千鳥足でお風呂場へと進んでいくこうくん。倒れないか不安だ。けど心配して扉を開けて、こうくんの裸を見てしまったらそれこそハプニングなので、もしもの時はお兄ちゃんに任せることにしよう。


こうくんが出たらお昼ご飯を食べてオフィスに向かうことにしたので、それまで3人で話す。次は伊沢さんをドッキリにしかけたい、とか変わり種でふくらはどうよ！？とか、川上さんでもいいんじゃないですか、とか企画の話で盛り上がる。私としてはお兄ちゃんのクイズ王への道も見たいけど、とりあえずははなおさんとの時にドッキリを仕掛けられたので、誰かに仕返ししたいところだ。


そんな仕返しの話で盛り上がっていると、こうくんがでてきた。こうくんにドッキリはずっと気づかなそうだな、なんて一人で思ったけど、お兄ちゃんもよしあきくんもそう思っていたみたいで、2人で口を合わせてこうちゃんはないな、なんて鼻で笑う。


｢なんで俺出てそうそう鼻で笑われなきゃいけないんですか！？Aもなんとか言ってよ！｣


｢まあ、話が話だったからなあ...｣


なんて笑うとAまでグルか！と声を大きくする。いつの間にか二日酔いはどこかに消えて、4人で笑いあっていた。

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