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「おはようございまーす...あ、むらたくさんだ!」


今日は土曜日。朝からオフィスに向かうとむらたくさんがそこにいた。

「いらっしゃいAちゃん。早いね」


そうですか?と答えて時間を見ると10時すぎ。確かにいつもの私と比べると早いとは言える。けどそれ以上前から来てるむらたくさんの方が朝早いよね。ていうかもしかしなくても泊まったのかな。


「もしかしてむらたくさん、泊まりですか?」


「ばれちゃいました?Aちゃんなら隠し通せると思ったんだけどなあ」


少しだけ頬を指先で搔いて、困ったように眉を下げたむらたくさん。その目には少しクマができていて、顔色もあまり良くない。このままではダメだ、と私は直感で思って、とりあえずむらたくさんがしている動画の編集を変わりますよ、とむらたくさんを押しのけて椅子に座った。


「え、いやでもそれは俺の仕事だし、Aちゃんまだ編集したことないはずでしょ?大丈夫だから、俺に任せてくださいよ」


「そう言われて任す人はここにはいません!確かに私編集したことないんですけど、とりあえずやれるだけやってわかんなかったらけんけんさんに聞きます!だから今はむらたくさんが休む時間です。ほら、横になるの!」


私の押しに負けたのか、そこまで言われたら、と仮眠室に向かうむらたくさん。少ししか経ってないのにのに寝息が微かに聞こえてきて、やっぱ疲れてたんだなあ、と思った。
それでも動画はいつもと変わらないくらい丁寧だし見やすかったし、さすが神、と言えるくらいだった。
なれない作業をこなして、なるべくいつものような動画をめざして手を進める。


なんとか編集は終わったけど、まだむらたくさんは起きてこないし、誰もやってこない。もう昼にも差し掛かるし私もお腹がすいたので、自分とむらたくさんの分のご飯を作ることにした。


体調悪い時に消化に悪いものはだめだし、食べやすいものにしようかな。うどんかおじやか、でも食欲はあるっぽいよね、カップラーメンの空き容器があるってことは。あ、鶏ムネ肉つかって少し濃い味の鶏五目雑炊にしよ。そう決めて近くのスーパーに買い物に行った。


オフィスに帰ってきてもまだ誰も来てないしむらたくさんも起きてない。今のうちに静かに料理を始めよう、と意気込んで15分くらい経って出来上がった。我ながら上出来では?なんてふふん、と鼻を鳴らしながら炊いた土鍋とふたり分の食器ををもって仮眠室へ向かう。喜んでくれるといいな。

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かすがわ(プロフ) - 楽しく小説読ませていただいてます! 少し気になっしまったので、言わせていただくのですが、福良さんは河村さんのこと確か「河村」呼びだった気がします…! (2019年9月19日 23時) (レス) id: 13a71039dd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おとわ | 作成日時:2019年9月5日 0時

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