026 ページ26
呼んだのはよしあきさんだけだったはずなのに、なんでかたくろーさんもいてびっくりした。なんかこうくんのことはほっといてここで飲みを続行するらしい。いやまあ見守ってくれるなら私もいいけど。
「わー、こうちゃんできあがってんなあ、どんだけ飲んだん?」
「1杯だけのはずなんですけど...」
しかもサワーだし、そんな度数は強くなかったはず。思った以上にこうくんがお酒に弱いのか、雰囲気に酔いすぎたのか、どっちかは分からないけど、こうくんと2人で来る時はお互い飲まない方がいいかもな、とおも思った。
「僕Twitterにあげたいから写真撮っていい?」
いいですよ、と答えて斜向かいに座ったたくろーさんとピースをする。こうくんも微かになにか聞こえていたらしく、ドヤ顔であご下にピースを作っていた。
それに加えてよしあきさんの顔の上半分が映る。これだけでも可愛いよしあきさんはずるいよ、ほんと。たくろーさんは遠くても安定でイケメン。こうくんはこうくん。
「ありがとう!勝手に参加する気できちゃったけど大丈夫?」
「て言ってももう来て飲んでるから遅いけどな」
3人でわらいながら箸と手を進める。こうくんもちょっとは飲んだり食べたりしているようだけど、私たちよりはあんまり食べている様子はなかった。
「でAちゃんはなんでこうくんと呑んでたの?僕も最初から呼んでよ〜」
こうなるはずはなかった、というたくろーさんの表情とは裏腹に、よしあきさんもそれなりに出来上がったようで、こうくんまでは行かないが頬が赤く染まっている。
「今回山本は呑む側やなくて見守る側やろ...ごめんAなんか逆に気使わせる感じになってしまうとは思わんかったわ」
「いやいや全然大丈夫です!たくろーさんを誘ってたらそりゃまあ多少は怒るかもですけど私が誘ったのはよしあきさんですもん、たくろーさんは悪くないですよ」
とはいえさすがに私も少し酔っ払った2人を面倒見ることは出来ず、家を知っているこうくんを引き連れてお会計をする。
私が出そうとするとたくろーさんが全部出してきて頭の中がごっちゃになる。即座にいや私が出しますよ!というと少し微笑んで
「ええの。Aとどっかに出かけることなんてなくてこれが最初やし、山本とこうちゃんには後できっちり請求するから、Aは気にせんとって」
そう言われて払われてしまえば、腑には落ちないけど強くは言えず、たくろーさんの優しさに甘えることにした。
363人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かすがわ(プロフ) - 楽しく小説読ませていただいてます! 少し気になっしまったので、言わせていただくのですが、福良さんは河村さんのこと確か「河村」呼びだった気がします…! (2019年9月19日 23時) (レス) id: 13a71039dd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おとわ | 作成日時:2019年9月5日 0時