【オリジナルBL】まっしろなゆめ【男主】 (ページ10)

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ななわページ10

「朝から暗い顔して、なんか悩み事でもあるのか？」

陸はそう言いながら俺の前の席に鞄を掛け、こっちの方向に体を向けて座った。

『んー、まあ……ちょっとね』

「もしかして、昨日休んだのと関係ある感じ？」

真面目に心配してくれてるのかもしれないけど、なんか陸の言い方は茶化すような感じに聞こえる。
…まあ、馬鹿だからしょーがないか。
心配(？)してくれている友人に対してそんな失礼とも思える思考を巡らせて、さらに心配させないように

『いやいや、昨日はただ寝過ごしただけだから大丈夫』

と伝えてから陸の頭に手を伸ばして、少しはね気味の黒髪を撫でた。

「…！……な、ならいいけど」

あれ、おかしいな。
昔から俺に頭撫でられるの好きだった癖に、途端に顔を赤くして前の方を向いてしまった。
最近してなかったし、心配してくれたからお礼言おうとしたのに、なんか気に障ったみたい…。
久しぶりだったからかな。

ともあれ、陸のおかげで真白のこと、ちょっとだけ冷静に考えられるようになった。
とりあえずゆっくり、色々話したりして聞いていけばいい。
明日、真白が居なくなるわけじゃないんだから。

そんな結論がでて、なんとなくすっきりした気持ちになった時、担任がガラリと戸を開けて入ってきた。
号令がかけられて、ホームルームが始まる。
その時、こっそり陸に聞こえないように

『………ありがと』

と小声で言った。

聞こえちゃったかな、とドキドキしながら陸の背中を見つめていると、彼がこっちを振り返って「何か言った？」と聞いてきたから『何にも～』とニヤニヤを堪えて返した。
なんとなく、今のありがとうは陸にはあげないことにした。
不思議そうに俺を見る陸の頭に、また手を伸ばしてくしゃくしゃと撫でた。

「なんだよ、どうしたんだよー？」

『なんでもないよー、撫でたかっただけ！』

……ホームルーム中にそんなことをしていた俺らは、後でしっかり先生に怒られた。
スイマセン。