【男主】落ちる様くらい綺麗に【僕のヒーローアカデミア】 (ページ8)

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｢ブッ殺すぞテメェ｣

｢１つくらいでちっちゃい男やな。ねぇ何で立ち直ったの？｣

｢黙れ。テメェ無駄に綺麗な顔してるくせにクソみてぇな性格してんな｣

｢それ爆豪くんにだけは言われたくないけど｣

にんまりと笑う僕に舌打ちをして、ギロリと睨みつける爆豪くん。

もう彼は昨日のような絶望に満ちた表情を見せてくれることはない。

いただきます、と手を合わせた突如、ウウーと大きな警報音が聞こえてきた。

食堂内にいる人の会話を聞けば、どうやらセキュリティ3が突破されたらしい。

屋外に避難するように促すアナウスが聞こえる。

｢なんやろね｣

｢知るか。ほっとけば静かになるだろ｣

｢わっ｣

｢椿！｣

一斉に出口へと避難する生徒の波に押し流されそうになったが、僕の腕を強く握ってくれた爆豪くんのおかげで助かった。

｢ありがと、爆豪くん｣

｢黙れ｣

口では悪態をつくものの、未だにしっかりと握ってくれている優しい爆豪くん。

壁側に追いやられた僕は窓から外を覗き込と、なにやらマスコミの面々が先生達に詰め寄っているのが見えた。

｢わあ、爆豪くん積極的やねぇ｣

｢黙れって言ってんだろ！俺だって身動き取れねぇんだよ！｣

僕に覆いかぶさるような形で僕の両サイドに手をつく爆豪くんの顔は少し赤い。

僕が潰されないように匿ってくれている彼を、わざとじっと見つめると思い切りそっぽを向かれてしまった。

「こっち見んな」

どこかで飯田くんの叫ぶ声が聞こえる。

だがこの甘い匂いがやけに落ち着くから気にも止めなかった。

・・・・・・

あのマスコミ騒動で飯田くんの活躍を見た緑谷くんが委員長の座を彼に託したことで、新たな委員長は飯田くんに決まる。

次の日のヒーロー基礎学は特例でイレイザーヘッドとオールマイト、それにもう1人の先生によって行われる人命救助訓練。

やはりあのマスコミ騒動は敵が動いているのか〝特例〟という先生の言葉に僕は首を傾げた。

｢今回コスチュームの着用は各自の判断で構わない。中に活動を限定するコスチュームもあるだろうからな。訓練場は少し離れた場所にあるからバスに乗って行く。以上準備開始｣

〝救助訓練〟何も見返りがないのに何の為に救助をするのか理解出来ない。

まぁ、ヒーローの仕事だと言われるのが妥当だが盛り上がるクラスメイトを他所に、僕は全くやる気が出なかった。

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