【男主】落ちる様くらい綺麗に【僕のヒーローアカデミア】 (ページ4)

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個性を使えば各記録の伸び代で、何が出来て何が出来ないかよく分かるのだろう。

だが僕はこのテストで得する個性ではない。

辺りを見渡して緑谷くんに視線を移すと、僕の好みの凄く悲観的な表情を浮かべてるのに首を傾げる。

彼も僕と同じように、このテスト向きではないってことかな。

みんな一つは大記録を打ち出しており、焦りを感じている様子だ。

一方で痛い程、先生からの怒りの視線を感じるが僕は無視を決め込む。

きっと個性使ってないから怒ってるのだろう、担任の先生はだいぶ短気だ。

負傷した緑谷くんのボール投げの件で、なにやら先生に言われているようだが距離が遠すぎて全く聞こえない。

｢椿、お前…個性使わねぇのか？｣

｢なに？ずっと見てたん？｣

珍しく話しかけてきた焦凍に、にんまりといつものように笑うと鋭い視線を向けられる。

幼馴染の彼は僕の個性を把握しているようだがそれは全部じゃないはず。

彼もきっとそのことに気付いている。

｢焦凍にええことを2つ教えたるわ｣

｢お前のいいことは全然いいことじゃねぇだろ｣

｢1つ目、僕は除籍処分になんてならへん。2つ目は冬美ちゃんと一緒に君のお母さんのお見舞いに行ってきた｣

〝お母さん〟その言葉に焦凍は僕が想像していたよりも、とてもいい表情を見せてくれた。

幼馴染の僕は、彼が両親からどのように接せられてきたか熟知している。

だからこそ彼の痛いとこも、嫌なとこも刺激する事が出来ている。

焦凍のそんな表情は本当に好みで、そうやって腹の底から僕の事を嫌いになればいい。憎めばいい。

そう思っていた。

突如、大きな声がして後ろを振り返ると、先程の金髪の彼が緑谷くんに言い掛かりをつけようとしている。

だがそれは先生によって叶うことは無く、引き離されていた。

それにしても、あの爆豪くんはさっきからいい表情ばかり。緑谷くんと何か確執かあるのか、会ったばかりの人への態度とは思えない。

中学時代からの知り合い？

｢なにニヤニヤしてんだ｣

｢雄英に来てほんとに良かった｣

ちなみに除籍処分は先生の真っ赤な嘘で〝合理的虚偽〟とのこと。

そして、最下位から２番目に僕の名前があった。

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