【男主】落ちる様くらい綺麗に【僕のヒーローアカデミア】 (ページ26)

今日:4 hit、昨日:109 hit、合計:1,372,520 hit

２５ページ26

.

『さァ上げてけ鬨の声！血で血を洗う雄英の合戦が今！狼煙を上げる！』

｢君の狙いは緑谷くんやね｣

｢当たり前だ｣

にやりと笑う爆豪くんを見て、たまには協力してみるのもありなのかと思った。

チーム全体を背負う爆豪くんに任せるしかないワケだし。

｢調子に乗ってんじゃねぇぞクソが！｣

緑谷くん目掛けて爆豪くんは騎馬から飛ぶも常闇くんのダークシャドウの防御により届くことはない。

宙に舞う爆豪くんを瀬呂くんの個性でキャッチし、器用に騎馬に戻す。

｢爆豪くん、後ろ…あ、｣

｢単純なんだよ、A組｣

後から迫るB組の騎馬に僕以外誰も気付くことはなく、そのまま彼らにハチマキを奪われてしまう。

｢んだてめぇコラ！返せ殺すぞ！｣

B組の生徒の口車に乗せられた爆豪くんはヒーローらしからぬ恐ろしい顔をしていた。

この手の口車は上手くあしらっていかんとキリがないのに。

｢デクの前にこいつら全員殺そう…！｣

まさかの予定変更に僕らは苦笑いを浮かべる。

残り時間が半分に切ったにも関わらず、闘志の燃やす彼に従うしかない。

確かにここで奪えるか分からない緑谷くんの得点を狙うよりかはちょくちょくと点を奪い予選を通過した方が効率がいい。

〝すこぶる冷静〟だなんて口では言っているがはたして本当のところはどうだか…

BOON!!!

｢ははぁ…へぇ…すごい！良い個性だね！｣

かろうじて避けられたものの、爆豪くんはすぐさま攻撃にかかろうとする。彼の攻撃は爆豪くんの個性そのものだった。

｢くそが！！｣

｢僕の方が良いけどさ｣

次は切島くんの個性をコピーしたB組の生徒が容易く爆豪くんの攻撃を受け止める。

なるほど、なかなかいい個性を持ってる。

｢コピーやな｣

｢正解！まぁ、バカでもわかるよね｣

彼らだけではなく次々と狙いに来る生徒の攻撃を避けていくも未だ0Pのままだ。

切島くんの足が個性によって固められ身動きが取れずに騒ぐ彼らを他所に、僕は爆豪くんを見上げる。

やはりなんとしても１位にこだわる彼。

｢爆豪くん、行こう。ポイント取り返すで｣

切島くんの足に触れないように粘着している物を落とすと、僕は彼を見上げる。

勢いよく飛び出した爆豪くんはそのままハチマキを２本奪い取った。

なんとか３位にあがったものの、まだ僕らのポイントは彼らが持ったままだ。

.