【男主】落ちる様くらい綺麗に【僕のヒーローアカデミア】 (ページ15)

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｢オールマイトォォ！」

｢浅はか｣

僕の前にワープゲートの敵が向かってくる。それでも構うことなくオールマイトの元へと足を動かした。

｢どっけ邪魔だ！デク！｣

目の前で爆破音と共にかっちゃんが敵を攻撃するとそのままワープ使いの敵を地に押さえつけた。

｢てめぇらがオールマイト殺しを実行する役とだけ聞いた｣

パキパキと音を立てオールマイトを掴む脳無と呼ばれる敵の体が凍っていく。

轟くんに、切島くんも！

｢かっちゃん…！皆…！｣

クラスメイトの助けに安堵した。

目から溢れそうな涙を必死に堪える。僕だけじゃない！敵をぶっ倒したいのは！

｢出入口を押さえられた……こりゃあピンチだなぁ…｣

｢このウッカリヤローめ！やっぱ思った通りだ！モヤ状のワープゲートになれる箇所は限られてる！そのモヤゲートで実態部分を覆ってたんだろ！？そうだろ！？｣

かっちゃんの素早い分析に関心した。

やっぱり戦い方や洞察力の高さは凄い。ヒーローらしからぬ言動をしながらワープゲートの敵を抑えつける。

｢脳無、爆発小僧をやっつけろ。出入口の奪還だ｣

死柄木弔の言葉に反応する脳無は、轟くんの個性によって崩れ落ちる右半身を気にもとめない。

超再生という個性も兼ね備えた脳無は勢い良くかっちゃんに向かって行く。

｢かっちゃん！かっちゃん！？避っ避けたの！？すごい…｣

｢違えよ黙れカス｣

何も見えない程に素早い攻撃に唖然としたが、狙われたかっちゃんは何事もなかったかのように僕の横に座っていた。

攻撃の先に視線を向けると咳き込むオールマイトの前に貼り付けた笑みを浮かべる椿くんが立っていた。

先程のようにひらひらと朱色の花弁が散って、霧状に消えていく。

｢椿少年……威力を〝落とした〟のか？｣

｢すんごい威力。危なかったね、せんせ｣

｢はぁ……またお前かよ｣

死柄木弔は椿くんを見て嫌な笑みを浮かべる。

初めて目の当たりにしたかっちゃんと切島くんが驚き目を見開いているが、轟くんはそうでもないようだった。

A side.

敵のオールマイトやヒーローを妬む理由も、オールマイトの命を懸けて戦う理由も何もかもくだらない。

けれどあれ程の力を持った敵をねじ伏せるオールマイトがNo.1ヒーローと呼ばれる理由は理解出来た。

あまりにも圧倒的な力の強さにプロの世界を肌で感じ、目の当たりにした。

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