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―――主 side
「なんで…どうして…？」
主「……」
「ぼ、僕は兄様を殺そうなんてしてない！違うんだ！」
主「俺に嘘は通用しないと…、誰にも聞いてないのか？」
「…ッ！！」
主「お前の腹の底で思ってる事を教えてやろうか？無能なカリムではなく、自分が次期当主に選ばれるべきだと……何故当主様は自分を見ないんだと…そう思っているだろ」
「違う！僕は！」
主「そう言うのなら、何故カリムの部屋に忍び込んだ？」
「！？」
主「カリムの使う枕に毒針を仕込んでいたな。それも、まだアイツの身体に耐性のない猛毒を」
「そ、れは……か、母さんがそうしろって…！」
主「お前の母親は既に白状してるぞ？殺せとは一言も言ってないってな」
「ッ、」
主「お前自身がカリムを恨み、憎み、殺す事を計画した。俺達３人が特訓する２時間の間に計画を遂行し、後は疲れたカリムがベッドに寝そべれば…カリムは死ぬからな」
「……」
主「まぁ、俺が護衛をしてる時点で全ては無理な話なんだが」
「だって…、だって仕方ないじゃないか！僕が本当は当主に相応しい筈なのに、なんであんな無能な奴が次期当主に選ばれるの！？おかしいでしょ！？護られるべきなのは僕の方だ！お前が護るべきは僕なんだよ！！」
主「俺は命令されてカリムを護っている訳じゃない」
「…え？」
主「『友達』を護るのに、理由なんているのか？」
「友達…」
主「俺の友達はアイツらだからな。お前じゃない。カリムとジャミルだ。その２人を傷付けると言うのなら、当主様でも殺す。俺はそれを唯一許されている」
「だから、お前は自由に過ごしてるって事…？」
主「俺にとっては、アイツらが俺の『全て』だ。アイツら以外がどうなろうが興味ねぇ。死ぬなら勝手に死に絶えろ」
「……」
主「アイツらに害なす者は排除する」
ーーーザシュッ！！
久しぶりに武器を使って始末をした
身体が鈍ってなくて安心したが、服に少しだけ返り血が着いてしまった。これはもう使えないな…気に入ってたんだが…こればかりは仕方ないか…
遺体の処置はナファール家の者に任せるのが決まりとなっている
変に他の連中に任せて何かをされても困るからだ
ーーーガチャッ
主「……」
人を殺した後に来る喪失感…。これが俺は１番嫌いだった
人を殺す事に戸惑いも躊躇もない、物心ついた時から殺しは日常茶飯事だったから
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作者名：抹茶ラテ | 作成日時：2020年7月4日 18時
