宮ンズの幼馴染＃2 (ページ34)

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淡色 ④ ページ34

Side 侑

浮かれとった

知識として「そういうこと」ばっかり頭に入れて
興味が出てきたころに告白してくれた子を「彼女」ってやつにした。

何が正解か分からんくて
不機嫌な理由も分からんし聞くのも面倒で
でも「彼女」は「大事」にせなあかんらしい

好きで、おらなあかんらしい。

「…は？」

息苦しくて
つまらんくて
こんなもんか、しょーもな、って思いはじめて

「オイ」

Aとおるほうが、って無意識に何度も考えとる自分に気づいて

「オイコラ」

やのにAは「彼氏できた」とかなんや言うて
感じたことのないもやもやが、胸を埋め尽くして

なんでなん、って
俺らおんのに、って

知らん男がAの隣におるんを見つめて

「なんで泣いとんねん」

でも俺が何もせんかったんは、Aがそれを望んだんやって
自分に言い聞かせとったからや

泣くなんて聞いてへん
俺らやない誰かのことで傷つくなんて、聞いてへん

「…見んとって」

「は？」

「こっち、こんとって」

「…意味わからん」

俺がお前の彼氏ちゃうからか？
俺が違う子の彼氏やからか？

Aに彼氏がおるからか？

なんで俺にとっての「大切」が泣いてんのに、そばにもおられへんの？

「…しょーもな」

「…こんといて、って言うたやん」

小さい頃からよお遊んでた公園のベンチ

膝抱えて座るAの真ん前に立って、涙拭いとる手を取る

「…な、恋愛ってしょーもないな」

その目と合う
赤い目じりに唇を落とす