宮ンズの幼馴染＃2 (ページ27)

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道 ④ ページ27

「嫌や～！離れたない！」

その日はほろ酔いになるまで飲んで
3人並んで、家に向かって
まるで小さい頃みたいに、並んで寝た。

「苦しい…」

「ツム新幹線遅れるで」

「Aも連れていく」

「アホか」

「やって次いつ会えるか分からん…」

変わっていくことが寂しいのは、なんでやろうっていつも思ってた
変わらんことが嬉しいのはなんでやろうって、いつも。

成長していくことは確実に変化の一部で
それが喜ばしいことであるのには変わらんはずやのに

二人はずっと、成長を、変化を望んで今日を生きてるのに

「侑」

「なん…」

それが寂しいのは、なんでやろうって

「次は私が迎えに行くわ」

「…一人はあかん」

「なんでよ」

「…Aが他のチームメイトに惚れるかもしらん」

喜ばれへんのなら
私は二人と一緒におることを許されへんような気がして

「弱気やなぁ」

「…寂しい、言うてや」

でもきっとそれは、双子も同じで

「寂しい」

「ほんまに？」

「うん。でも、見とるよ」

「…」

「見るたびにやっぱりカッコええな、って思っとる」

ぎゅうぎゅう抱きしめられてた腕の中
顔をあげれば、眉を下げた侑と目が合う

「んは、なんちゅー顔してんの」

「あ～～…もうほんっま、この時間が一番しんどい」

「私も今のうちに侑のこと充電しとく」

「…俺もまだ足らん」

変わっていくことが寂しいこと
でも変化を求めて今日を生き続けること

今ならわかる

「寂しい」はきっと、悪いことじゃない

「サム」

「なんやねん」

「…頼んだで」

「…おー」

「いらんことすんなや！」

「それは約束でけへん」

「なんやと？！もっぺん聞いたるわ！いらんことすんなや？！」

「Aそろそろ行こか」

「オイコラ！クソサム！」

改札の向こう側

大きく手を振る金色

私もこの時間は、嫌やったけど
また「おかえり」って言いたいから

「…ほら、もうええで」

「…っ」

「おいで。落ち着いたら一緒に帰ろ」

「お、さむ…」

「んは、泣き虫なったなぁ。可愛え」