宮ンズの幼馴染＃2 (ページ20)

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昔話 ① ページ20

お昼休み、友だちと机に向かい合ってお弁当に箸を伸ばした。

「アンタらってずーっとそうなん？」

「？」

「距離感」

「…うん。そうやと思う」

卵焼き、楽しみにしとってん。

「中学生のときとかいじられたりせんかったん？過敏やんかその時期って」

「…あー」

「なんかあった反応やん」

「いじられるんに我慢しきれんくなった双子がキレてもうたことはあった」

「ほー」

はじめはそれこそ、いじられることに慣れてなくて
私らの距離感が他から見たら、近すぎることも気づかんくて
変に意識したり、それこそ避けてもうたりもしたけど

「…家きてん」

「？双子が？」

「うん。明らか喧嘩したあとみたいなボロボロの格好で」

「ええ、大丈夫なんそれ」

「うん。…停学一歩手前やったらしいけど」

「大丈夫て言わんねんそれ」

文句言うやつらボコったったで！
やから一緒におれや！って

今でも時々思い出す、二人のドヤ顔。

それからは何か吹っ切れたみたいに、距離感は戻ったっけ。

「Aさ」

「うん」

「一生彼氏できひんのちゃう」

「…」

「あー、双子のどっちかと付き合うんか。ほんで結婚やな。ごめん」

「え？そうなん？」

「私はそういうもんやと思ってる」

グラタンの占いを見る。
なんやねんラッキーアイテムがクレヨンて。

「双子からの好感度えげついやんか」

「？」

「慣れすぎてバグってるんよアンタは」

「失礼な」

「だって普段から車道側歩かせへんやろ？」

「…確かに」

「帰り一緒の時は絶対送ってくれるんやろ？遊ぶときは迎え付き」

「…うん」

「Aの防寒対策、だいたい双子の私物」

「そ、れは…そうや…」

「体調不良を見逃さん」

あれもこれも、よく思いつくなぁ、なんて思いながら友だちを眺めてたら
アンタの話しとんねん、て怒られた。