宮ンズの幼馴染＃2 (ページ1)

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危機感 ① ページ1

なんで、こうなったんやっけ。

バレー部の部室。

背中にはベンチがあたってて
目の前、至近距離に映る金色の髪。

手、抑えられてて動かれへんし
私の上におる金色のせいで、ビクともせん。

「…なぁ、分かっとる？今の状況」

「う、ん…？」

「動かれへんやろ。俺まだ力ぜんぜんいれてへんけど」

突然降ってきた雨に打たれてもうて、
「最悪や～」思いながら靴履き替えとったら、侑に会って

私を見るなり手引っ張って連れてこられたんが、ここで

「その気になったら何でもできるねん」

両手、頭の上でまとめられて侑の片手で固定されて
空いた片手は、制服のボタンを1つ、2つあけていく。

「ちょ、な、にしてっ…」

「お前が言うたんやろ。雨で下着透けとるのに、平気やし見られたところで、って」

部室のロッカーにジャージ入れとるから着とけや、って
侑が貸してくれたそれに袖を通しながら確かにそう言うた自分を思い出す。

「なぁ、」

するり、その綺麗な指が肌をなぞって
私は思わず恥ずかしさと恐怖で、目に涙が浮かぶ。

「…あんま男舐めんなや。力でねじ伏せられたら勝てへんぞ」

「…ん」

「俺やからええ、って思っとるんもまぁ悲しいけど」

「？」

「頭の片隅に置いとけや。俺も男やって」

肌をなぞってた指が、目じりを撫でる

「ほんで意識したらええわ。いつか俺で頭いっぱいにしたる」

見慣れた笑顔
それに安心してへらり、と笑えば「何笑ってんねん」と頭突きをされて

「あー、でもお前危機感ないからなぁ。虫除け」

「い、った」

「それ見られたなかったらちゃーんとジャージ着とけや～」

鎖骨に噛みつく金色
行動が読めんくて、置いてけぼりにされて

感じた覚えのある痛みはきっと、

「他の男にそんな姿見せたらどつくで！」

「私がどつかれるん」

「アホ！見た男ども片っ端からどつきまわしたるわ！」

「忙しいなぁ」

「他人事みたいに言うな！お前や原因は！」

腕、引っ張って立ち上がらせてくれた侑に
「ありがと」って伝えれば、少し恥ずかしそうに「ん」って言うてた。