世界の終わりから (ページ10)

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10話ページ10

「ねえシェーン、ちょっと山菜採りに行ってくる。そんなに遠くにはいかないから」

シェーンにそう告げると、顔をしかめられた。

「1人で行く気か？」

「うん、そのつもりだけどダメかな？」

「ダリルかメルルを連れて行け」

「んーでも...」

山菜採りくらいであの2人に同行をお願いするのはちょっと気がひける。

今のキャンプ地は森の中。

だから、周りには少し歩くだけで山菜が結構取れるし、あまりウォーカーもいない理想的な場所。

「1人では危険だからダメだ」

シェーンに強い口調で言われ、わかったと渋々返事をする。

シェーンから離れてダリルとメルルを探すが、メルルはどこかに行ってしまっているのか見当たらない。

少し歩くと、みんなから少し離れたところにいたダリルを見つけた。

「ねぇダリル」

ボウガンの清掃のようなことを行なっていた彼に声をかける。

「どうした」

ダリルに声をかけると、まず最初に必ずどうしたと言われる。

そのどうしたの言い方が、なぜか私は堪らなく好きで、安心する。

「山菜採りに行きたいってシェーンに言ったら、1人じゃダメだって」

そこまで言うと、ダリルはボウガンを扱う手を止めて、ようやく私を見た。

「着いてこいってか？」

眉を片方上げてそういうダリルに、私は少し甘えた声を出す。

「お願い。今日一日なんにもしてないからお散歩ついでにどうしても行きたいの」

軽くため息をついたダリル。

「ったく、しょうがねーな」

気怠げな声を出したながら立ち上がると、ボウガンの動作を確認するように、近くにあった木に向かって矢を放つ。

見事命中したそれを引き抜くと、行くぞ、と声をかけられた。