世界の終わりから (ページ9)

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9話ページ9

「ただいまー。戻ったよ」

スーパーで、少しだけ残っていた食料をかき集めて、キャンプ地に戻る。

メルルと一緒に戦利品を運びながら声をかけると、みんな口々におかえりと言ってくれた。

「カールは？」

洗濯をしているローリに尋ねる。

「あっちでソフィアと遊んでるわ」

そういって指さされた方に、カールとソフィアがいた。

私は笑顔でそちらに歩みを進める。

「カール！ソフィア！お土産あるよー！」

そう声をかけると、2人が嬉しそうに駆け寄ってくる。

「リサおかえり！お土産ってなに？」

ウキウキしている子供達を見て、私まで嬉しくなる。

背中に隠していたチョコレートクッキーを、2人の前に差し出す。

「じゃーん！クッキーだよ。2人で食べな」

クッキーを手に大はしゃぎする子供達。

甘いお菓子を手に入れたのは2週間ぶりだ。

また喜ぶ顔が見れてよかったと、なぜか親心のようなものを感じる。

「帰ってきてたのか」

突然後ろから聞こえた声に振り向く。

「ダリル、ただいま」

「おう。帰ったんならこれ、皮剥ぐの手伝ってくれ」

ぶっきらぼうにそう言って、手に持っている動物を揺らすダリル。

「また狩りに行ってたの？私も行きたかった」

「お前がいたら足手まといだろ」

「だから狩りの技術を教えて欲しいの。」

冷たくあしらうダリルに、駄々をこねるように答える。

「いいからさっさと作業するぞ、日が暮れちまう」

ダリルが獲った獲物を2人で捌いて、ローリ達が調理しやすいように下処理を行う。

こんな作業、今までしたことなかったけど、この2ヶ月でだいぶ手慣れていた。