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その時開発していたのはアイライナーで大野さんの要求はまた難しいものだった。
「そういや、新入社員にいい子見つけたんだよねぇ」
「何で直ぐに頼まなかったんですか！？」
「ええ？だっておれみたいな変なやつに話しかけられっよりAさんみたいな人が頼んだほうがいいと思って」
「…変な人という自覚はあるんですね」
「まぁね」
無理難題を言われていても大野さんの作る商品の素晴らしさと、穏やかそうな雰囲気のせいでどこか憎めない。
ヘラリと笑うばかりの彼を前にため息をつくのはいつものことだ。
「で、どこのどなたですか？さすがに情報がないと見つけてくるのは難しいんですが」
「ええっとねぇ、確かエレベーターを5階で降りてて…あ！ ”二宮” って呼ばれてた！」
「…なるほど、わかりました。頼んでみますのでおとなしく待っててくださいね」
「へーい」
フロアは5階、というと経理か営業か。
営業の知り合いに確認したところ今年の新入社員に二宮という人はいないらしい。
となると大野さんが見たのは経理の人で間違いない。
「すみません、こちらの新入社員で二宮さんという方いますか？」
「少々お待ちください……二宮！！」
「はーい？何ですか？」
名前を呼ばれてだるそうに返事をした ”彼” を見て絶句。
待て待て。大野さん、何を考えてるの？
「二宮は俺ですけど？」
確かに可愛らしい顔立ちしてるけど、どっからどう見ても男性でしょ！？
「あの…他に二宮さんという方は？」
「いや。俺だけですが」
ああもう、本当に大野さんの考えていることがわからない。
もしかして大野さんが見た人はこのフロアに降りたけど実は別の課に所属してるとか？
うーんと考え込む私を二宮くんは探るような目で見ていて。
その瞳は綺麗な明るめの茶色をしていることに気づく。
あ、多分この子で間違いないな。
そう直感する。
大野さんが探していた瞳のイメージにぴったりだもの。
仕方ない。交渉するのは私の役目なんだからしっかり。
「急にお呼びしてごめんなさい。私、企画課の水月と言います」
「ああはい」
「今からとても変なお願いをします。不快に思われたらきっぱりと断っていただいて結構です」
「はい…？」
「新商品のサンプルを試させていただけませんか？」
「…は？」
たっぷり固まること10秒ほど。
「俺、男ですけど？」
「はい。それは見たらわかります」
もっともな意見に同意するしかない。
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とも(プロフ) - おはようぉございます。正に嬉しくて号泣です。お互いの気持ちが繋がった。素敵なお話をありがとうございました。 (2020年12月12日 7時) (
レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 柚さん» コメントありがとうございます！今回の更新でその気になった箇所をきちんと回収できていると思うので…楽しんでいただけたら嬉しいです。 (2020年12月7日 23時) (レス) id: 217cb95def (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いています^ ^なんで息を呑んだのか気になりますねぇ(^-^)♪ (2020年11月24日 8時) (レス) id: c036a1a7fd (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 橘花さん» 前のシリーズから！長く読んでくださってありがとうございます(*^^*)自信満々の翔さん格好良いですよね…あと二人も頑張ります！！ (2018年6月26日 11時) (レス) id: 00c99a5500 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - まいさん» 強気×強気、良いですよね。まだまだ書き足りない事もあるので続編も考えてはいます(^-^)残りの二人も頑張りますね！ (2018年6月26日 10時) (レス) id: 00c99a5500 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑
| 作成日時：2017年3月15日 20時
