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音は確かに鳴ったのにドアの向こうからは何の反応もない。
気を取り直してもう一度鳴らしてみてもドアが開けられる気配は無くて。
｢ちょっと！カズさん！！いるんでしょ！！開けなさいよ！！！｣
インターホンを何度も鳴らしても無視をされたのに苛立ってドアをガンガンと叩く。
手が痛くなった頃にやっとドアが開いて文句を言ってやろうとした、んだけど
｢あれぇ？えーと…ニノの後輩ちゃん、だよね？｣
誰だこの人、と顔に出ていないだろうか。
ドアが開いて顔を出したのはカズさんではない知らない男の人。
｢なか、入る？たぶん怒んないとは思うし……｣
｢あ、じゃあお邪魔します｣
あっちはどうやら私の事を知っているようで、部屋に招き入れてくれる。
って私！ダメじゃない。
男の柔らかい雰囲気に流されて部屋に入っちゃったけどもし不審者だったら……
あ、でもカズさんが入れたのだとしたら彼はカズさんの知り合いということになる。
……でも、誰？
少なくとも芸能界の人ではない……はず。
｢ニノに会いにきたの？｣
｢あっ！はい…｣
知り合いを思い浮かべていた所に声をかけられて、驚いて声が裏返る。
｢今日テレビ局で見かけた時に具合が悪そうだったので、心配でつい……｣
｢そっかぁ、なーんだちゃんと心配してくれる人いるんじゃん｣
｢あの、お名前を伺っても良いですか？｣
ふにゃりと笑った男に、ずっと思っていた疑問をぶつけてみると彼はきょとんとした顔になって。
｢あれぇ？まだ言ってなかった？そっかぁごめんね。おれは大野、大野智。ニノの大学の先輩なの｣
よろしくねぇ後輩ちゃん、と呼ばれて。
｢あ、はい。よろしくお願いします｣
挨拶を返しながらも浮かんだのはこんな時でも"彼女"のこと。
……大学の先輩ってことは、大野さんも"彼女"の事知ってるんだよね。
ズキリと痛んだ胸には気づかなかったふりをした。
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紫苑(プロフ) - yukidarumakunさん» あとがきにも追記しましたが、この二人のその後を短編で書き始めました。ぜひ覗いてみてくださいね。 (2020年6月7日 16時) (
レス) id: 217cb95def (このIDを非表示/違反報告)
yukidarumakun(プロフ) - ものすごく楽しみです！またこの2人に会えるのを楽しみに日々の生活頑張ります。こんな時期ですので御無理のないよう創作して下さいね。 (2020年6月6日 19時) (レス) id: b586aa50e6 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - yukidarumakunさん» 労いのお言葉ありがとうございます。この後の二人については少し考えていることがあるので楽しみに待っていてください！続きを書いた時にはまたこちらでお知らせしますね。 (2020年6月4日 12時) (レス) id: 217cb95def (このIDを非表示/違反報告)
yukidarumakun(プロフ) - 完結お疲れ様でした。この後の2人も見たいですね。また、いつか続編読ませて頂ける日を楽しみたいしています。 (2020年5月31日 19時) (レス) id: b586aa50e6 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - めぐぽん(*´･∀･)さん» コメントありがとうございます。楽しみと言って頂けて嬉しいです。更新頑張りますね！ (2020年5月26日 23時) (レス) id: 217cb95def (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑
| 作成日時：2016年12月14日 22時
