向かう ページ16
★★★
「中村くん！ごめん！今日帰ってもいい？！」
残業予定の仕事の担当者、中村くんにお伺いに行く。
「えっ？ど、どうしたんですか、珍しいですね」
「ちょっと急用が…！明日、巻き返すから！良い？」
「え、ええ、まぁ、明日中に最後まで行けるなら大丈夫ですけど…」
「わかった！明日絶対なんとかするから！」
中村くんのOKを貰って、慌てて帰り支度を始める。
ブースに戻る途中、チラリ、とユノくんの席に視線を移したけど
そのまま真っ直ぐ自席を目指す。
ユノくんではなくて私に連絡をしてくる意味を考えて
あえてユノくんには言わない方が良いだろう、と判断した。
女同士でしか話せないことがあるのかも知れない。
…急がなきゃ。
「え？Aさん帰るんですか？」
帰り支度のために机上の整理を始めた私に清香ちゃんが気がついた。
「…あ、うん。ちょっと用事ができちゃって…。
後は明日頑張るよ！」
「…ふぅん。そうですか…」
何となく何か言いたげな清香ちゃんだけど
それ以上は何も言ってこないから
私はひたすら準備を進める。
最後の最後で聞いた真由美が待っている、というホテルと部屋番号を書いたメモ用紙もしっかりと手に持った。
「じゃあ、今日は帰るね！
あ、そうだ！」
情報通の清香ちゃんなら知ってるかも！
「清香ちゃん！〇〇ホテルってどこにあるか知ってる？！」
「え？〇〇ホテルですか？
新札幌にある割と新し目のホテルですよ。
Aさんそこに行くんですか？」
「ん？あ…ああ、まぁ…ね。ありがと！
じゃあまた明日！」
手を振って、ブースを後にする。
新札幌か。
タクシー飛ばした方が早いな。
真由美からのあの電話での
切実な様子が思い出されては胸が苦しくなった。
いつも堂々としていた真由美の
あんな気弱な声色は初めてで胸騒ぎがする。
タクシーをつかまえるために大きな通りを目指す私に、またお兄さんから連絡が入った。
『僕も向かってるんですが、山本さんは今どこですか？』
おおよその場所を知らせると、近くにいるから迎えにきてもらえることになった。
現れたのは、やはり私が産婦人科で見かけた男性であり、車だった。
それで、私はすっかり安心してしまったんだ。
★★★
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千衣(プロフ) - 清香ちゃん格好いー♪清香ちゃんだからこその台詞だね♪ (2019年6月10日 3時) (
レス) id: 831be97d67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - いなほさん» 美人に正論吐かれるともうぐうの音も出ませんね！^_^; (2019年6月9日 21時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - まいさん» 新曲も気になりますが、まずは目前に迫ったユノソロですね〜〜！！(*´ー｀*) (2019年6月9日 21時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - ゆきさん» そうそう！母は強し！！ですもんね！まぁ、実際これから大変でしょうけども…^_^; (2019年6月9日 20時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - YUNのさん» 自分が矢面に立つのも辞さない潔さ！！ここまで成長してくれるとは思ってませんでした〜〜^_^; (2019年6月9日 20時) (レス) id: 253e460f3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作者ホームページ：https://ameblo.jp/kanayunho
作成日時：2019年5月19日 8時
