年下の男 26 (ページ43)

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懲りない女…CM ページ43

★★★

「………………」

女は黙ってしまった。

黙るしかないんだろ。

どうせ彼女には決定権が無いんだろうから。

今まで周りが動いてきてるせいで

自分で自分のケツを拭く事すら出来なくなっている。

…いい大人なのに…

…僕よりだいぶヌナなのに…

だからと言って、呑気に構えるつもりはない。

さっさと決着をつけたい。

「……さて。

どうしますか？

先ずは謝罪…ですかね？ユノヒョンとAヌナに」

女は顔を上げる。

「…なんでここにAちゃんの名前が出るのよ。
Aちゃんは関係ないでしょ」

……はぁ。

確かにヒョンは別にヌナの彼氏だった訳ではない。

過去の男たちのように関係を破綻させられた…と言う訳ではないからな…

「わかりましたよ。

じゃあヒョンには全てを認めて、謝罪して、今後一切関わりを持たないこと、で良いですか？」

出来ればヌナとも切らせてあげたい、と思ったが…そうはいかない…か。

「…あ、あの……」

申し訳なさそうに

女が上目遣いで僕を見た。

「…た、確かにきっかけは……フェイクだったから、そこはきちんと謝罪します…！

だけど…！

だ、だけど…実際に会ってたらどんどんその…本当にユノくんがいいな…って……
素敵だな…って……思えてきて

だ、だからその……

お付き合い自体はこのまま続けたい……って…、
そう…思ってるん……だけど…」

「…………………」
『はああ？！』

呆れた僕と同じタイミングで、イヤホンの向こうからも盛大な声が聞こえてきた。

『どっ…こをどうしたらそんな考えに及ぶ訳？！信っじられないくらい厚顔無恥！！
無理無理！絶対無理！！』

耳をつんざく女性の声が

脳天まで一気に響く、

『お腹の子の父親が欲しいだけだから！！
ぜーーーったい無理！！』

軽い目眩を覚えた。

…全く。

この期に及んで何を言い出すのか…

厚顔無恥。

初めてこの四文字熟語にぴったりの人間に会いましたよ…。

「………はぁ……」

ため息しか出ない。

もう、めんどくさい。

さっさと話をつけてしまおう。

僕は持っていた女のスマホのロックを外すべく、

女にスマホを向けて顔認証でロックを解除した。

★★★