年下の男 26 (ページ27)

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第2のミッション…CM ページ27

★★★

僕が赤の他人だという事で

彼女の警戒心が消えていたんだな。

こうもあっさりとあの男の事を話すとは…。

やっぱり気持ちはあの男にあって、

ユノヒョンに…では無かったんだ。

それなのに

あの男の子を身ごもったままユノヒョンとの結婚を急ぐなんて…。

やっぱり最高に腹が立つ。

容赦はしない。

……徹底的にやらせてもらう。

右ポケットの中に潜ませていたモノを
彼女には見えないように取り出した。

『…そろそろですね。チャミさん』
『チャ…チャンミン！無理だと思ったらやめていいからね！無茶はしないで…！』

イヤホンから斉藤くんとヒョンの声が聞こえる。

わかってる。
無茶はしない。

だけど絶対やってやる…！

運ばれてきたデザートプレートを見て「美味しそう！」と頬を綻ばせる彼女を真っ直ぐに見据えた。

…よし！

「あ、そうだ。僕、薬を飲まなくちゃ…」

胸ポケットからビルケースを取り出して…

「あっ…！」

手が滑った風に、
ピルケースがテーブルの上を彼女に向かって転がっていく。

その勢いのまま、テーブルの下に落ちた。

「あ、すみません…！」

「ああ、ちょっとまってね」

彼女がピルケースを取るために下を向いた瞬間、

立ち上がった僕は

右手に持っていた小さなケースから
白い粉末を彼女のグラスに一気に入れた。

まるで彼女を労うように、屈む姿を覗き込み、

そのまま、右手だけは軽くグラスをくゆらせて粉末が溶けきるのを待った。

「はい、どうぞ！意外とそそっかしいのね、チャンミンくん」

彼女に差し出されたピルケースを手に受け取った。

「ありがとうございます！
さ！デザートいただきましょう！」

何事も無かったように再び椅子に座り、

デザートをいただく。

「わぁ！美味しい！」
「美味しいですね！」

さすがに緊張していたのか

デザートフォークを持つ手が微かに震えていたけれど

とりあえず、第2のミッションはクリア出来た。

「身体のためにもきちんと水分を摂らないとだめですよ！」

もっともらしい事を言って、彼女にグラスの水を綺麗に飲ませた。

『グッジョブ！』

耳元で小林さんの声が聞こえた。

★★★