年下の男 26 (ページ1)

今日:3 hit、昨日:6 hit、合計:128,520 hit

尻拭い…YN ページ1

★★★

あまりにも想定外の事態に

怒りや悲しみや疑問、色んな感情が渦巻いてぐちゃぐちゃになった。

何かに当たりたい気持ちにもなったけれど

斉藤くんの部屋で暴れるわけにはいかない。

握りしめる拳でなんとか平静を保っていたが

ある程度まで感情が昂ぶったところで、

今度は一気に気が抜けた。

すとん、と

斉藤くんのベッドの傍にへたり込む。

やっぱり僕は彼女とは寝ていない。

それがはっきりとわかった事は嬉しいしありがたいのに

あまりに衝撃的なチャンミンの推理に頭がついていかない。

「…ヒョン。どうしますか？」

「…え？」

チャンミンの言葉に

力なく答える。

「…この解析を手に、怒鳴り込みますか？」

「…え？」

「え？じゃないですよ。しっかりしてくださいよ、ヒョン！何のために調べたんですか！
女にこの事実を突きつけて、婚約…まではまだいってないけど、結婚話も付き合う話もチャラだし！
なんなら名誉棄損で訴えてもいいレベルじゃねーっすか？！」

「チャ、チャンミンさん、落ち着いて！」

声が大きくなっていくチャンミンを斉藤くんも必死になだめる。

「……あ…ああ、うん。そう…だね…」

本当なら

僕はチャンミンのように怒っても良いんだろう。

なのに

落ち着いてみると少し、胸が痛む。

「…情けをかけてどうするんですか」

呆れた顔で

大きくため息をついたチャンミンが僕を見下ろす。

「…いや……情けをかけてる訳じゃ…ないんだ」

なんとなくぐちゃぐちゃな僕にチャンミンはピシャリ、と言い放った。

「…良いですか。ヒョンは巻き込まれたんです！

不倫の後片付けに！！

不倫は良い事なんですか？！」

チャンミンの言葉に、ふるふる、と頭を下げて横に振る、

「良い年した大の大人が！自分のケツも拭けなくて他人を巻き込んだんですよ！それも犯罪まがいの方法で！
経緯がどうであれ、犯罪は犯罪です！
犯罪者を野放しにしておいて良いんですか？！

下手をすると、ヌナが巻き込まれた可能性だってあるんですよ？！」

最後のチャンミンの言葉に、思わず身体が動いた。

「…っ、チャンミナ？！」

「だってそうでしょう？これまでの話を佳奈ヌナから聞きましたけど
ヒョンと付き合う、ということだけを考えればヌナ本人に矛先が向かう可能性だってあったかもしれないんですよ？！」

チャンミンの言葉に

血の気がひいた。

★★★