デート 60…YN ページ18
★★★
彼に
幸せそうに見えている、というのがとても嬉しかった。
でも心のどこかに
本物ではないと言う事実が影を落としている。
どんなに触れられても
どんなにそばにいても
それはフェイクでしかない。
君たちの方が本当に幸せな姿なんだよ…。
そんな風に思いながら、学生の彼らを見送って
Aさんの元へと戻った。
Aさんは芝の上に座って、夜景を見ていた。
僕もゆっくりと隣に腰掛ける。
チラリと横を見ると
Aさんの瞳は、遠い夜景へと向いていて
その様子に少し、胸騒ぎを覚えた。
僕は手にしたスマホの、さっき撮ってもらった写真をディスプレイに表示して
そっと、Aさんへ差し出してみる。
「…かなりいい感じの写真が撮れました！
これで小林さんからダメ出しが入ることは無いですよ！」
変わらぬテンションでそう言った。
するとAさんは差し出したスマホの画面をちらりと見て
「……そうだね。これなら…コバさんも文句のつけようが…ないよね」
消え入りそうな小さな声で呟いた。
「……Aさん？」
思わず名前を呼ぶ。
俯いたAさんの瞳から
ポタリ、と涙が落ちた。
………え？
Aさんが
静かに目を閉じていき
それと呼応するように
涙がポタポタと落ちたのが見えた。
「……Aさん…？！」
思わず、その肩を掴んで
Aさんと正面で向き合う。
「…あ、ごめん、ね。なんでも…無いから」
涙を堪えながら
必死に言い訳をする。
「なんでも無いわけないでしょう」
どうして？なんでそんな悲しい顔で…？
「ご…めん。ちが…の……目に…ゴミが……」
必死に言い訳する姿が痛々しくて
胸の奥がギュッ…と何かに掴まれるような痛みを感じる。
堪らなく辛くて
「……見せて？」
静かにAさんの頬を両手で優しく抑え
そのまま顔を上げさせる。
Aさんは目を閉じたまま、
その瞳からは変わらず涙が溢れていて
月明かりに照らされるその姿は
切ないけど
どこか神々しさも感じるくらいに綺麗だった。
あまりに綺麗で…
静かに
その瞼から零れ落ちる涙を
唇ですくい取った。
「…っく…」
しゃくり上げるAさんが愛しくて
僕はそのまま
ゆっくりと涙を拭うように唇で追いかけて
そして
気づけば
Aさんにキスをしていた。
★★★
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ゆうの(プロフ) - misuzuさん» 気に入っていただけると良いんですけども…^_^; (2018年7月13日 15時) (
レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
misuzu(プロフ) - ゆうのさん» ゆうの様、ありがとうございました。コミュに返信しました。年下の恋人覗けます。楽しみです。 (2018年7月12日 16時) (携帯から) (レス) id: da5ced1827 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - misuzuさん» お声がけありがとうございます(*^^*) メッセージしましたので確認してみてください！ (2018年7月12日 15時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - nononoさん» nononoさんが一番のりですね！ (2018年7月12日 15時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうの(プロフ) - のこさん» のこさん、M限定の人生相談ですね…！もれなく、毎日のように様子を伺いにくるユノにも会えそうだ…！ (2018年7月12日 15時) (レス) id: 58e1bcc9d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作者ホームページ：https://ameblo.jp/kanayunho
作成日時：2018年1月18日 12時
