ダッシュ ページ9
★★★
背中に添えた手をそのままに、チョンくんがじっと私を見る。
眉が上がって少し目を見開き、軽く息を吐いた。
「…じゃ、大通りに出るまで送ります。
僕はそこからロードワーク始めますから行きましょう。」
背中を押す手に力が入る。
…なんだか軽くあきられた感が否めなくて、私も少し意地になった。
この様子だと、送られない訳にはいかないようだ。
首を回し、手首を回し、足首を回した。
軽く屈伸運動をしてアキレス腱を伸ばす。
いきなりの私の行動に、チョンくんの目が丸くなっているのがわかる。
私は一つ大きく深呼吸して、彼を見た。
「じゃあ、そこまでロードワークのお供をします。」
そう言って、ダッシュした。
コートもスカートも翻して、ヒールをコツコツ鳴らしながら、ショルダーバッグを右手に抱えるようにして。
別に走るのが得意なワケでも、速いワケでも、好きなワケでもないけど、
大通りまで送るという彼のロードワークの邪魔になるのもイヤで、走った。
普段から走り込んでいるという彼だから、あっと言う間に追いつかれるだろうけど、
それでも大人しく追いつかれるのはイヤで必死に走った。
意外にあっさりと追い越されることはなくて、
(手加減されているんだろうけど)
あと少しで大通り、という手前の公園で追いつかれ、
抜かれた時には一気に気が抜けて、
私の息も上がりきっていたので、公園のふちにあったベンチに座り込んだ。
「…はぁっ、はぁっ…
全…速力…でっ……はぁっ……はし……たの……はぁっ。
ひさ……久….しぶりだぁ……はぁっ」
私の目の前のチョンくんは、ちょっと肩で息をしている程度。
やっぱり手をぬかれていたかぁ…。
「…ま、まさか走る、とは…」
息を整えながらチョンくんが言う。
「ロ…ロードワークの…邪魔、は…し…したくない…よ……はぁっ…」
私は必死に言葉を繋げる。
ぷっ、とチョンくんが吹き出して笑い出した。
「あっはーっはーっはーっ！
僕、ハイヒールで全力で走る人、初めて見ました！」
あまりに豪快に笑うので、上がっている呼吸と一緒に私のテンションも上がった。
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かえる(プロフ) - ただ今…読み直し中♪ユノくん気づかないだけで早々に好きになってましたね〜。ヤキモチで真顔って可愛い♪次読んできまーす♪ (2020年1月15日 0時) (
レス) id: f095ecfa37 (このIDを非表示/違反報告)
YUNの(プロフ) - 調剤薬局か、ドラッグストアーでもありますよ、さっきの３つは処方箋要るので (2019年4月30日 22時) (レス) id: 92e00ad2f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作成日時：2014年6月5日 21時
