走る人…YN ページ12
★★★
5時を回り、今日は顔合わせしかすることのなかった僕たちは定時で帰宅した。
5時に社屋を出て、社屋の隣にある寮の部屋に着いたのは5時10分。
近いのは楽だなぁ。
6時半に食堂で夕食を済ませ、部屋でゴロゴロしていた。
僕は毎朝大学への登校で15キロの距離を走っていて、大学に行かない時にもロードワークはこなしていた。
流石に今日は入社式だったから今朝は控えたんだけど…
やっぱりなんだかモヤモヤする…。
夜に走るかな？
でも、まだこの辺り慣れてないからなぁ。
道に迷ったら恥ずかしいしなぁ。
ベッドに横になって、カーテンの隙間から夜空を見上げる。
綺麗な月が見えて…。
僕はガバッと飛び起きてトレーニングウェアに着替え、部屋を飛び出した。
寮母のサチさんに声をかけて外に出る。
入念に準備体操をして、
「よし！行こう！」
走り出してすぐ、だった。
会社の裏口から勢い良く出てきた人とぶつかってしまい、相手がよろめいて転びそうになったので慌てて腕を掴んだ。
「す、すみませ…ん。
って、……チョンくんっ……？！」
相手は山本さんだった。
確かに就業時間ギリギリくらいに小林さんが残業するように言ってたっけ。
聞けばこれから帰宅するという。
少し歩けば人通りも車通りも多い大通りに出るけど、それまでは街灯もまばらな結構暗い道。
わかってしまったら「それではさようなら」とは言えない。
送るというのを頑なに拒否する彼女に
(頑固だな…)
今まで女性にここまで拒絶されたことがなくて少々面くらっていると
彼女はスカートにハイヒールという姿でいきなり走り出した。
「えええっ…⁈」
慌てて後をついて走る。
相手は女性だし、スカートだし、ヒールだし、
絶対的に僕の方が速いのは明らかなんだけど、何故だか直ぐには追いつけなかった。
スカートもコートも翻して走る彼女が
彼女の後ろ姿が何故か綺麗で
少し見とれていたから…。
大通りに出る少し手前の公園で少し休憩して、
そこで彼女が27歳になると知る。
僕は大学時代に2年兵役に行っていたから他の新入社員より年上だと言ったら、ちょっとびっくりしていた。
少し年が近いとわかって、僕はなんとなく嬉しくなってつい、笑いかけていた。
結局、大通りに出たところで彼女を見送り、僕はそこから30分ほど走り込んで寮に戻った。
★★★
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かえる(プロフ) - ただ今…読み直し中♪ユノくん気づかないだけで早々に好きになってましたね〜。ヤキモチで真顔って可愛い♪次読んできまーす♪ (2020年1月15日 0時) (
レス) id: f095ecfa37 (このIDを非表示/違反報告)
YUNの(プロフ) - 調剤薬局か、ドラッグストアーでもありますよ、さっきの３つは処方箋要るので (2019年4月30日 22時) (レス) id: 92e00ad2f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうの
| 作成日時：2014年6月5日 21時
