期間限定のキミと 02

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スッキリしないまま

放課後となり少し居残りをしてから

私は教室を出た




生徒の少なくなった校舎は

とても静かで何だか寂しさを感じた









「A！」



「…？」









下駄箱で靴を履き替えていると

後ろから元彼が声を掛けて来た









「昨日は…いきなり押しかけてごめんっ」



「…ううん」



「驚いたよな？」



「まぁ…多少はっ」



「ゆっくり考えてくれていいから…」



「…うん」









ー ゆっくり考えてくれていいから









そんな事を言われているのに

何故か頭の中では昼間の

ジョングク先輩の態度を思い出して

チクリと胸を痛めた









「A？」



「ん？」



「あのさ…あのジョングクって奴なんだけどっ」



「…っ」









その言葉に思わず息を飲む









「本当に嘘とかじゃなくて辞めた方がいいと思う」



「…な、なんで？」



「昨日だって一緒にいたけどさ…今日だって昼休み女と一緒にいたよ」



「…っ」



「モテるから仕方ないってのは言い訳だと思う。あいつが本当にAの事を思ってるなら他の女と一緒にはいないよ」









あぁ、なんか…

すごい私ショックを受けてる




昼休みって…

先に屋上を出て行った後だよね？

その後に他の人といたって事だよね？









「だからさっ」



「もう言わなくていいよ」



「…A？」



「ごめん、今は1人にして欲しい」









小さく頭を下げて

元彼に背を向けて歩き出すと

肩を掴まれて引き止められる









「好きなんだろ！？あいつの事！？」



「…っ」









そう言われて否定出来なかった

でも心の何処かでは気が付いてた

だけど認めないようにしてた









だってそんなの単純過ぎない？

都合が良い女だと思われない？









優しくされればコロッと

他の男に寝返る女って嫌じゃない？

私だってそう思ってた

ずっとずっと元彼だけを思ってた

別れてからもずっと引きずって

戻って来てくれるって思ってた




なのにジョングク先輩が現れて

意図も簡単に気持ちが変わってる




そんなの都合が良すぎるよ…

最低だよ、私って…









「ごめん、私…やっぱりヨリは戻せないよっ」



「なんで！？あいつの事が好きだから！？」



「…違う、けど」



「じゃあ！もう一度俺と付き合ってよ！」









両肩を掴まれた

元彼の気持ちに答えられない

望んでいた事なのに…



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