期間限定のキミと 01

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ジョングク先輩は何も言わずに

黙々と購買で買ったのだろうか？

惣菜パンを食べていた




私は何だか食欲が湧かなくて

膝に置いたままのお弁当を

ただジッと黙って見つめていた









『食べないの？』



「え？あ…なんか食欲があんまり無くてっ」



『まだ体調悪い？』









そう言ってグッと近寄って来たジョングク先輩は

そっと手を伸ばして私の額に触れようとしたけど

何を思ったのかギュッと手を握って降ろした









『無理して食べる事ないけど…少しは食べた方がいいかも知れないね？』



「…っ」









今までなら普通に触れて来たのに

なんで今になって躊躇したんだろ？

今までは迷いもなく

寧ろ、私が困る位に触れて来たのに…




それも私が元彼から

ヨリを戻そうって言われたから？

ヨリを戻して欲しいからなの？









『俺、そろそろ行くよ』



「…え？」



『最近、まともに授業とか出てないから単位ヤバいんだよね？卒業出来なかったら困るし』



「…あ、はい」









ひとしきり食べ終えると

ジョングク先輩はゴミを纏めて

スッと立ち上がった









「先輩…」



『ん？』









振り返るジョングク先輩

何だか胸の奥が痛くて

言葉が上手く出て来なかった









「いえ…何でもないですっ」



『何？Aちゃん変なのっ笑』









変なのはジョングク先輩の方です




なんでいきなりそんな態度になるの？

なんでいきなりそんな距離を取るの？




そんなにヨリを戻して欲しいの？









『じゃあ、またね？』









軽く手を上げて去って行く

ジョングク先輩の背中を

私はただ黙って見てるしかなくて




本当はもっと話しがしたかったし

もっと側にいて欲しかった




色々と聞いて欲しかったし

何より隣にいてくれるだけでも

私はとても心強かったのに…









「…っ」









私ってワガママなのかも知れない

ついこないだまでは

ジョングク先輩の事よりも

元彼の事が頭にしかなくて

ジョングク先輩からの告白すら

あまり信じてはいなかったのに




ジョングク先輩が離れ始めた瞬間

今度はそれを寂しいと思ってる




最低だ

悪い奴だ




なんでこんな気持ちになるんだろう？

なんでこんなワガママになってしまったんだろう？




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