43.例えば ページ42
曲は、新曲のTODAY IS。
IDOLiSH7、初めてのバラード曲だ。
朔「曲、いいな」
「IDOLiSH7の曲はいつも凄いんだよ。きっと朔も気に入ると思うよ」
「でもなんか…いつものアイナナじゃない…」
画面越しに伝わる、謎の違和感。
いつもの元気で暖かいIDOLiSH7とは少し違うような、何かがひっかかる。
朔「いつもの…？ って、今、歌詞飛んだ？」
「…………うそ…」
そのとき、一織君ソロパートだったのだろう所の、主メロが消えた。
メンバー全員が、心配そうに一織を見つめている。
いつも一番冷静で、何かあれば対処しようと真っ先に行動していた一織君が、歌詞を飛ばしてしまった。
それによって、最初からあった違和感がわだかまりとなって少しずつ全員に広がっていく。
朔「…お前ならこういう時、どうしてた」
「私、なら…」
失敗した。
歌っていても、頭の中は失敗してしまったことが離れてくれない。
どんどん心臓の音しか聞こえなくなってきて、目の前が真っ白になっていく。
そんな時、私だったら。
「プリムラだったら、それを観客に忘れさせるくらい、強く歌うかな。圧倒的なパフォーマンスと歌唱で、失敗をかき消す」
「でも、今の私だったら…」
今の私と、プリムラは違う。
手段は同じでも、理由も伝えたいことも何もかもが違う。
なら、対応だって変わっていいはずだ。
もしそれがファンにとって解釈違いになったとしても、見てほしいのはプリムラじゃなくて、今の私だから。
「笑う、かな」
朔「笑う？」
「笑うとさ、口角があがって、口が大きく開くようになるの。そうすると、吸った酸素の量も増えるから頭がよく回るようになるし、より歌いやすくなる」
「それに、心配したファンの顔は見たくないから。私が笑ったら、きっとみんな安心して見てくれるでしょ？」
実際にその状況になってみなければわからないけれど、私が今この結論をすぐに出せたことに意味があると思う。
ファンのために。
みんなが幸せになるために、私がやるべきことをやればいい。
単純なようで、今の私にはそれが全てだ。
朔「そっちの方がお前らしいよ」
「どっちも私だよ？」
朔「そういうことじゃない。昔の消えそうなお前はもういないんだってこと」
「どういうこと？」
朔「歌ってる時のAは、Aとは別の人間だったから。プリムラは、真っ直ぐ突き進み過ぎて、そのうち誰も手の届かない所へ消えそうだったから」
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津々里 捺貴(プロフ) - たかめいさん» ありがとうございますー！！頑張ります！！！！ (2020年4月2日 2時) (
レス) id: d056fe19a8 (このIDを非表示/違反報告)
たかめい(プロフ) - この作品とっても好きです！これからも更新頑張ってください！ (2020年4月2日 0時) (レス) id: 651a3f3b57 (このIDを非表示/違反報告)
津々里 捺貴(プロフ) - 気付いたら10000hit…ありがとうございます！更新まばらで申し訳ない！ (2020年3月19日 17時) (レス) id: d056fe19a8 (このIDを非表示/違反報告)
津々里 捺貴(プロフ) - 1000hitありがとうございます！ (2020年2月28日 1時) (レス) id: d056fe19a8 (このIDを非表示/違反報告)
津々里 捺貴(プロフ) - あまりにもアイナナでるの遅いですけど、出ますから！！！安心してのんびりお待ちいただければ！！！ (2020年2月21日 23時) (レス) id: d056fe19a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：津々里 捺貴 | 作成日時：2020年2月14日 3時
