34.私は ページ33
真奈香「それで？ Aがアイドルとしてファンに見せたいのはどんな姿なのか。分かった？」
IDOLiSH7のLIVEから数日後。
真奈香さんに連絡して、事務所に来てもらった。
もちろん、真奈香との間の机にはわらび餅が並んでいる。
山守は空気同化しようと必死のようだが、私はなんだかとても落ち着いていた。
「私は、歌いたい。プリムラと同じように」
ステージに魅了されてしまった時から、きっと一生それは変わらない。
歌が上手いかどうかはわからないけれど、歌うことで伝えられる思いがあるから、私は歌う。
だが、それだけではプリムラの時と変わらない。
違うのは
「でも、それだけじゃなく、私の全てを見て欲しいの。綺麗な部分も、汚い部分も。楽しい時も、悲しい時も全部見て欲しい」
「どんな私を見ても、幸せだと感じて貰える。そんな姿を見て欲しい。」
「私が笑顔なら、みんな笑顔になってくれる。それだけじゃ足りないっていうなら、悲しい時も辛い時も、いつでも私は笑顔でいるよ」
「絶望のなかで笑える、そんなアイドルになりたい」
ステージが怖くなって、歌をやめる。
両親が突然同時に亡くなる。
親戚は頼れない。
事務所は潰れそう。
きっと、これ以上の絶望はもう来ない。
そんな時でも、お父さんとお母さんは私に笑って欲しいと言った。
それなら、たとえどれだけ傷だらけでも、声が出なくても、足が動かなくなっても、誰も私を見なくても。
笑ってみせる。
真奈香「……そう。なら、今の気持ちを絶対に忘れないで。それはあなたをどんな時でも救ってくれる意思になるわ」
「……うん。わかった」
真奈香「もうひとつの課題。もう聞かなくてもいいかもしれないけれど、一応ね」
真奈香「Aは、アイドルになりたい？」
そう聞いた真奈香さんは、さっきまでとは打って変わって目じりが優しく下がっている。
それは、ずっと昔から私が知っている大好きな人の、いつもの表情。
もう一人の母のような、年の離れた姉のような、暖かく見守ってくれるその瞳。
今はただそれに応えたい。
「うん。なりたい。きっかけは確かに事務所とタレントを守るためだったけれど、アイドルという道を選んだのは私自身だから」
「アイドルになって、みんなを幸せにしたいよ」
これからたった1人で生きていくことには変わりはない。
なら、少しでも沢山の人を幸せにしたい。
私が貰った幸せの何倍もの幸せを返したい。
その意思は、もう揺らぐことはない。
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津々里 捺貴(プロフ) - たかめいさん» ありがとうございますー！！頑張ります！！！！ (2020年4月2日 2時) (
レス) id: d056fe19a8 (このIDを非表示/違反報告)
たかめい(プロフ) - この作品とっても好きです！これからも更新頑張ってください！ (2020年4月2日 0時) (レス) id: 651a3f3b57 (このIDを非表示/違反報告)
津々里 捺貴(プロフ) - 気付いたら10000hit…ありがとうございます！更新まばらで申し訳ない！ (2020年3月19日 17時) (レス) id: d056fe19a8 (このIDを非表示/違反報告)
津々里 捺貴(プロフ) - 1000hitありがとうございます！ (2020年2月28日 1時) (レス) id: d056fe19a8 (このIDを非表示/違反報告)
津々里 捺貴(プロフ) - あまりにもアイナナでるの遅いですけど、出ますから！！！安心してのんびりお待ちいただければ！！！ (2020年2月21日 23時) (レス) id: d056fe19a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：津々里 捺貴 | 作成日時：2020年2月14日 3時
