16.前を向け ページ16
手紙の日付が最近になるにつれ、その内容は今こんなふうに1人になった時のためにあるような文になっていった。
いつかAが大きな壁にぶつかって、誰に頼ればいいのかわからなくなったとき。その時はまず自分の好きなことをしなさい。
好きなことをやったときの、幸せな気持ちや充たされる気持ちや笑顔を思い出すんだ。
あとは、どうすればそうなれるのかを考えればいいだけだよ。
「なんで、お父さんは私にこれを残したの…？」
本当はわかっている。
わかっているものの、まだなんとも受け入れきれない。受け入れなくない。
いつかくる別れを考えて、私が困らないように、どんな選択をしても苦しむことがないようにしてくれていたんだ。
まさか、私が一番けわしい道を選ぶなんて思わなかっただろうけど。
「それでもさあ、なんでこんなに早く………もう少し、私に残して行って欲しかったよ………」
私の中に残っている、お母さんとお父さんの限られた記憶。
それが更新されることはもう二度とない。
このお父さんがつくったアルバムも、もう二度と新しいページはめくられない。
「やっぱり、寂しいよ…お母さん、お父さん……」
「覚悟を決めたはずなのに、やっぱりまだちょっと怖いよ…」
涙は出ないけれど、頭の中がモヤモヤする。
やっと前に踏み出せそうなのに、思い出を見ると後ずさりして、全てから逃げ出したくなる。
『shaking your heart〜♪ shaking your dream〜♪ 時代をーかけーてーくー♪』
スマホから大好きな彼らの歌が流れた。
夜かけていたアラームを切り忘れていたようだった。
それと同時に、あの忘れられない夜を思い出す。
眩いライト。まばらな客席に向けて、まるで星が輝くように、虹がかかるように彼らは踊り、歌っていた。
和泉一織、二階堂大和、和泉三月、四葉環、逢坂壮五、六弥ナギ、そして七瀬陸。
誰がかけても同じ輝きを放つことは出来ない、そう思わせてくれるアイドル達。
「そうだよ。私は彼らと同じ道を進むって決めたんだ。どんなに大変でも、自分の一番の幸せを掴む為にやるって決めたんだ」
もう絶対に揺らがない。
後戻りもしない。
「それを間違ってるなんて、誰にも言わせない」
例え、私が不幸になったとしても。
一番の目標は変わらない。
「絶対、みんなと笑顔でさよならするんだ」
例え、IDOLiSH7が敵になったとしても。
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津々里 捺貴(プロフ) - たかめいさん» ありがとうございますー！！頑張ります！！！！ (2020年4月2日 2時) (
レス) id: d056fe19a8 (このIDを非表示/違反報告)
たかめい(プロフ) - この作品とっても好きです！これからも更新頑張ってください！ (2020年4月2日 0時) (レス) id: 651a3f3b57 (このIDを非表示/違反報告)
津々里 捺貴(プロフ) - 気付いたら10000hit…ありがとうございます！更新まばらで申し訳ない！ (2020年3月19日 17時) (レス) id: d056fe19a8 (このIDを非表示/違反報告)
津々里 捺貴(プロフ) - 1000hitありがとうございます！ (2020年2月28日 1時) (レス) id: d056fe19a8 (このIDを非表示/違反報告)
津々里 捺貴(プロフ) - あまりにもアイナナでるの遅いですけど、出ますから！！！安心してのんびりお待ちいただければ！！！ (2020年2月21日 23時) (レス) id: d056fe19a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：津々里 捺貴 | 作成日時：2020年2月14日 3時
