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「ちょいちょい、待てよ新八。
俺は2位、お前は大転落のドべ。
ここには絶対埋まらない差ってモンがあんだろ何ひとまとめにしよーとしてんだよ」
「2位っていったって、本当に僅差での辛勝負ってとこでしょーがそんなので威張らないで下さいよ」
この3人で花見がしたいというAの願いは、依頼という思いもよらない形で叶った。
こうしてブルーシートの上で飲み食いするのも、
普段は意外と早く寝ろってうるさい銀時が今日だけは特別だ、と夜更かしを許されるのも
非日常でワクワクする。
そしてしょーもないことを言い合ったり、気軽に始めた人生ゲームに熱が入り一喜一憂して騒いで、笑ったり叫んだり心の底から楽しい、と思う。
何より
あの時一人で見た、日の光を浴びた桜も綺麗だったけれど
こうやって3人で見る桜が、一番綺麗で美しくAの瞳に映る。
何やかんや言い合っていた銀時と新八も、気づけばまた上を見上げていた。
「ハラスメント意識とか、そういうのがもっと強まっていくなら来年以降もこの時季は
花見の場所取りって依頼が入ってくるかもしれませんね」
「おー、そん時は一緒に酒の差し入れってのを暗黙の了解にしといてくれや」
2人の会話を聞きながら、Aは思う。
じゃあ、
「その時はまたこんな風に、みんなでお花見できるアルか?」
神威が迎えに来るのがいつなのか分からないからとか、
いつかは離れ離れになるからだとか、
考える前に言葉になった、Aの願望。
また、来年も、万事屋で。
「ったりめーだろ、こんな夜通しかかる依頼、1人じゃやってらんねェよ。
かといって新八と2人きりってのも……なんか眼鏡が移りそうだし
A、むしろお前は強制参加だ。
来年も、それ以降も欠席は認めねェかんな」
それは神威の元に帰れば叶わないことだ。
それを分かっていて、銀時は言う。
「依頼が入るものだって信じて、いっそ僕らの恒例行事にしません?
毎年この時季に、夜の花見をするんです」
銀時の言葉を叶えたい。
新八に、いい考えだと賛同したい。
ああ、私は地球で、万事屋のAとして生きていたいんだ。
銀時と目があって、Aは笑顔を見せる。
「……新八、それナイスあいでぃあアル!
今日みたいに留守番じゃ可哀想だし、来年からは定春も連れてくるネ」
神威 と 地球
ぐらぐらと揺れながらも平等を保っていた心の天秤が、初めて傾いたのをAは感じていた。
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ぽてうさ(プロフ) - ゆるさん» ありがとうございます!!書いててよかったってなる嬉しいお言葉です(*^^*)近い内に続編も公開予定なので少々お待ち下さい! (2020年5月2日 11時) (レス) id: d2b650a918 (このIDを非表示/違反報告)
ゆる - すっごく面白いです!早く続きが読みたいです!更新頑張って下さい!応援してます♪ (2020年5月1日 11時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
ぽてうさ(プロフ) - ついに総悟さん行動にでました(°口°)こちらこそありがとうございますです_|\○_ 作者としては優しい沖田総悟を書くのが難しくて苦労してます笑 (2020年4月7日 23時) (レス) id: d2b650a918 (このIDを非表示/違反報告)
鈴音(プロフ) - 総悟ぉぉぉーーーーーΣ(゚Д゚;≡;゚д゚)すみません荒ぶりました← 何だろう…何か…もう…ほんとありがとうございます(((語彙力 (2020年4月7日 21時) (レス) id: 737011c58c (このIDを非表示/違反報告)
ぽてうさ(プロフ) - 至恩さん» 久しぶりとなってしまった更新で、こんなコメント貰えるなんて本当に嬉しくて続きを書くモチベがぐんぐん湧いてきます!ありがとうございます(●´ω`●) (2020年3月14日 23時) (レス) id: d2b650a918 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽてうさ | 作成日時:2019年2月6日 19時