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勢いが良すぎたのが災いして、スポーンと袋から飛び出る2つの、
「ヤキニクゥゥゥゥ!!!!」弁当。
Aが受け止めようとするが一歩及ばず、虚しく地面へダイブ。
「さ……3秒ルール……!」
跪いたAが必死にかき集めようとするが、落ちた弁当は砂利と混ざり地面にぶちまけられ、とても食べられる状態ではない。
オニク……久しぶりに拝んだオニクが……うわ言を漏らしながら、呆然とその場にうずくまったAに、後ろから声がかかる。
「あーあ、こりゃもう食えたもんじゃねェなァ」
「!
……そーご、ごめんアル……」
Aはハッとして振り返ると、沖田に謝った。
せっかく自分と一緒に食べるために買ってきてくれたのに、台無しにしてしまった。
すごく美味しそうなのに食べることができない。
2つがないまぜになって、Aはひどく落ち込んだ様子で俯く。
「お前が喜ぶと思って買ってきたのになァ」
「面目ないアル……」
「すっげェうまかっただろうなァ」
「うぅ……」
「中々な値段すんだぜ、叙々○だから」
「私が責任持って食べるアル……!」
再び落ちた中身をかき集めようとするAを、沖田は止める。
「バーカ、やめとけ。
いくらお前でも腹壊すぜ」
「だって……じゃあどうしたらいいアルか……」
自分の失態でダメにして、このまま引き下がりたくなかった。
「そーだねェ、どうしてもお前の気が済まねェっていうんだったら……覚悟はできてるんだろうなァ?」
Aに、ザァっと一面鳥肌が立つ。
根は良いやつって思ったことが一瞬で覆るような、まさにこれは“いつもの沖田”
「な、何するつもりアルか……!」
この顔をした沖田といると、ろくな事にならない。
深層に刻まれたその意識を引き起こされたAの声に、警戒心が滲む。
やっぱり、沖田の優しさにはウラがあったのだろうか。
「遊園地 水族館 映画館
この中だったらどれに行きてェ?」
「へ?」
沖田から唐突に問いかけられた。
噛み合わない会話に疑問を抱きつつも、
「遊園地」とAは答える。
「了解。
それと、今週の日曜空いてっかィ?
ていうか空けとけ」
「空いてるはずネ。
でもさっきから何なんアルか?」
「“何するつもりか”それの答えでェ。
Aには、俺の要求する3つの願いを叶えてもらう。
まずはその、1つ目」
「そーごの、願い?」
どんな要求がくるかと、Aは生唾を飲み込んだ。
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ぽてうさ(プロフ) - ゆるさん» ありがとうございます!!書いててよかったってなる嬉しいお言葉です(*^^*)近い内に続編も公開予定なので少々お待ち下さい! (2020年5月2日 11時) (レス) id: d2b650a918 (このIDを非表示/違反報告)
ゆる - すっごく面白いです!早く続きが読みたいです!更新頑張って下さい!応援してます♪ (2020年5月1日 11時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
ぽてうさ(プロフ) - ついに総悟さん行動にでました(°口°)こちらこそありがとうございますです_|\○_ 作者としては優しい沖田総悟を書くのが難しくて苦労してます笑 (2020年4月7日 23時) (レス) id: d2b650a918 (このIDを非表示/違反報告)
鈴音(プロフ) - 総悟ぉぉぉーーーーーΣ(゚Д゚;≡;゚д゚)すみません荒ぶりました← 何だろう…何か…もう…ほんとありがとうございます(((語彙力 (2020年4月7日 21時) (レス) id: 737011c58c (このIDを非表示/違反報告)
ぽてうさ(プロフ) - 至恩さん» 久しぶりとなってしまった更新で、こんなコメント貰えるなんて本当に嬉しくて続きを書くモチベがぐんぐん湧いてきます!ありがとうございます(●´ω`●) (2020年3月14日 23時) (レス) id: d2b650a918 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽてうさ | 作成日時:2019年2月6日 19時