【銀魂】逃げた子兎、支配する兎 6【神威】

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「ふぅ、これで邪魔ものはあと1人か。
A、あとちょっとだから待っててね」

顔を青ざめさせ立ちつくすAに笑かっいかけると、神威はハリセンを雑に投げ捨てる。

「さて、アンタは恐らくハリセンが聞かないらしい。
じゃあサクッと死んでもらうしかないネ」

「Aも、腹の中にほんとにいんのか分かんねェ子供もオメー自身も 全部イボなんでィ。
イボ同士がくっついてたってしょうがねェんだから大人しくこいつらと仲良くくだばんなせェ」

「そんなことどーだっていいよ。
俺はただどんなことがあろうとAが関わることを他の男に任せるなんて許せないだけだから」

神威は一歩も引く様子がないどころか、殺る気マンマンに目を光らせている。
ハリセンを打ち込む隙を見せない。


「こうなったらしょうがねェ」

それを受けて、沖田は。
神威に戦意を向けた、まるでそのままで
唐突にAとの距離をつめ、そのまま勢いを殺さずに腕を振りかぶった。

「きゃぁぁぁ」

咄嗟にお腹を抑えて守るAの悲鳴が響いて、

「A……無事でよか、……」
神威が倒れ込む。


「やァっとおねんねしたかィ」

この距離であれば、Aに全力で攻撃をしかければ受け止め反撃するまでの余裕はないだろう。
できるすればせいぜい間に入って身代わりになる程度だ。

そして沖田には神威がAを庇う確信があり、事実そうなった。


「沖田さん、こっちは粗方終わりました。
そっちはどうですか？」

少ししなびたハリセンを持ち、額に汗を覗かせる新八が、沖田に近寄っていく。

「おー。
ダメガネのくせに中々やるじゃねーか。ダメガネのくせに。
こっちは見ての通りでィ」

「何で2回言った！？！？
さすがですねこれで安心だ。
さてあとは……」

新八と沖田の視線は揃って同じ方向へ、
Aに向く。

「私も……叩くアルか」

「うん……ごめんね。
でも今の君はイボだから」

「私には今赤ちゃんがいるアル、たった一つの尊い命なのヨ……！」

「結婚も子作りも、元に戻ったお前としてやるから安心しなせェ」

「どさくさに紛れて何言ってんだアンタは！」

ツッコミのキレを取り戻してきた新八は、改めてAに向き合って。

「大丈夫、すぐに済むから、痛くしないから……ね？ Aちゃん」

「DTのやつが言うとなんかキモいやつだなそれ
あ、キミDTだったねごっめーん」

「何なんですか失礼ですね事実ですけど！」

沖田と、憤慨する新八がAににじり寄っていく。

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