【銀魂】逃げた子兎、支配する兎 6【神威】

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一同の視線が、Aからその声の出処へと向けられる。

皆まさか、と思った。
まさか、また、

「ヴェッ」
思わず新八の喉から、カエルの搾りカスのような声が漏れたが誰も気にすることはない。

何故なら、もう開くはずのない扉が(ry
開かれたのだから(2回目)

「おい、あれSINじゃねーか！？」 「SIN様……！」 「なんでここに？」

そこに立つ人物を見た招待客等からどよめきが広がった。
中にはファンもいたのか一部で黄色い悲鳴も上がる。

人気ヴィジュアル系バンドのボーカルSINこと、高杉晋助。

そんな有名人が、どうして。

「サプライズゲストとして呼んでたアル」

Aによると、余興として歌を披露してもらうことになっていたらしい。
しかし当然、それはもっと後のはずだった。

バージンロードを歩き出す高杉。
それが合図だったかのように、曲が流れ出した。

「♪仮初めの幸せを 奪ッテ壊シテ消シ去ッテ」
「この全テデ 塗り替える」

教会内に響く美声で歌いながら、高杉の射抜くような視線はAに全て注がれる。

「そしてここから連レ去ッテ 始まるEden(楽園)♪」

曲の終わりと共に、高杉はAと、それを取り合う男2人のもとへ到達する。


「A、俺と来な。
お前の腹ん中にいるのは、俺の子だろうよ」


やっぱりもう1人増えたァァァア！！！

新八の内なる叫び再び。
最近のイボってただれすぎでしょなんなの今時はみんなこうなの？？？

というかイボAちゃんがとんでもないクソビッ○になってるんだけど！？
父親候補の一人をサプライズゲストとして呼ぶとかどういう神経してるんだ……。

「……貴方もなんですか？
……例え、何人誰がこようともこの結婚は止まらない」

「はぁ、こんなにワラワラと虫を寄せ付けて。
Aには、結婚後ちゃぁんと教えこんでやらないといけないね」

「残念だが、テメェらには諦める道しかねェな」

誰が子の父親か、誰がAの夫になるか、
そこは壮絶な泥沼だった。ど修羅場だった。


そして、そこに新たな火種がもうひとつ。


「ちょっと待ちなよ。
さっきからうだうだごちゃごちゃと……お前らになんて任せておけないね」
う
新郎関係者席から立ち上がったジェンダーレス男子こと土方が、つかつかと騒動の元へ歩み寄る。

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