【オリジナル】館に集う者達 (ページ16)

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お茶会by猫娘ページ16

「ん～？」

その声とともに、リンジュが瞬間移動してくる。そ、それはいいのだが、リンジュ！近い！

あと、慌てている我をみて奇妙なものを見る目をするのはやめろ…

「お、落ちるよ！？落ち着いてクリオさん！」

落ち着こうとはしとるわ！

まぁ、そろそろ我も白雪以外とも普通に接することができるようにならんとな…。

「あ、あぁ…我は吸血鬼だからな…地面にそのまま突っ伏すことはないが…

ちょ、ちょいと離れてはくれんか！？」

「え！あ、うん！降りてきてね！？」

また瞬間移動して地上に戻るリンジュ。

あの能力は心臓に悪いわ…。
しかもあのリンジュがさん付けって…

我はクリオと呼び捨てにしてくれて構わんのだが…

そんなことを考えながら、ゆっくりと能力を使って下に降りる。

「あ、確かクリオって…コミュ障というか…まあ人見知りみたいな感じじゃなかったか？」

本人の目の前でそれをいうか。
あとリンジュ、手を打って納得するな。

「え、あ、いや、我は別に…！」

逆効果ではないか。

「…すごくあわあわしてますね…落ち着いてくださーい？」

………落ち着こうとはしているのだが。

いつの間にかスキップをしながら、キッチンに向かうリンジュが急に振り返る。

「そうそう、クリオさん、雪菜の部屋でお茶するから、先行っといて！」

さっきこいつ我がコミュ障だと聞いて納得していなかったか？

ものを忘れすぎだ。

「じゃあ我はこれで…」

「ちゃんときてくださいね、リンジュが拗ねますから」

「……わかった」

なんとかそう返事をして、雪菜の部屋へと向かう。

できるだけ時間を稼ぎたい。

どうするか。

一旦自分の部屋に戻り、赤色の液体…つまりはトマトジュースを飲む。

気休めというものだ。
飲み終わってから、ゆっくりと外に出て、

雪菜の部屋へと向かう。が、その途中でリンジュと会ってしまった。

「あれ？なんでクリオさんここにいるの？」

「え、えと、我の部屋に用事があってな……」

「そう！丁度私も雪菜の部屋に向かうところなんだ～！一緒に行こうよ」

断りづらいのだが。
別にひとりでいかないてはならない理由もない。だが我は1人で行きたいのだが。

「あまり喋らないのならいいぞ」

そう言ってしまってからめちゃくちゃ後悔した。が、言った言葉は戻せない。

我とリンジュは、無言のまま、2人で雪菜の部屋に向かった。