刹那的オペレッタ【njsj】【knmc】 (ページ2)

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ゆるゆると目を見開いて口を馬鹿みたいに開ける。思わずぺたんと尻もちをついた私に名も知らぬ少女の飴細工のような悲鳴が追いかけてきて、抱きついてきた小さな衝撃が襲う。ワンピースタイプの制服がしとしとと濡れた。このハウスダストと油を煮詰めたような部屋に不釣り合いな女性たちの息を呑む音が聞こえてくる。男たちもようやく怯えた様子を見せた私が面白いのかさらにケタケタと下品に笑っていた。
けれどそれに気を配ることができないほど、私の意識はある一点に集中されていた。マジかよ。頭の中でらしくない言葉遣いを吐き出す。はぁぁと声にならないため息を吐いて、寒さの中巣から落ちた小鳥より震えている少女をそっと抱き寄せた。

ガチャ、バタバタッ。

ドアが乱暴に開かれる音がして、サッとそちらの方に目を向ける。ガタイが良くて明らかにカタギじゃないギラついた顔をした微妙に格好のつかないスーツの男が荒々しく入ってきた。おそらくあの二人の仲間だろう。そしてその男は肩に何かを担ぎあげていた。
「オイ！遊んでねぇで早く持ち場に戻れ！」
苛立ちを隠さずに怒鳴り散らす男を見て、怯えた顔をした男たちは蜘蛛の子を散らすようにドアから去っていく。弱者には当たれても、強者には打たれ弱いのはこの、私たちを誘拐した組織の中でも変わらないらしい。チッと舌打ちをした男が、抱えていた何か･･････いや、少女を落とした。ガタンと体が落ちて跳ねるのが、ゆっくりとしたスローモーションのように見えた。
少女は三流恋愛映画に出てきそうな薄いキャミソールと短パンを着ていた。しかし服から出ている白い柔肌は傷だらけで、痛々しいほどの痣があった。しかもその抜けるように白い肌には白濁とした液体がこびりついていて、何をされていたのか一発でわかる様子に吐き気がする。可愛らしい顔立ちなのだろう風貌は痛々しく腫れて、薄い唇が切れて血を流している。何が起こったのかわからない、というような顔をしている少女の涙が揺蕩うように滑り落ちていく。その様子を見た女性たちの震える呻きや声なき悲鳴が空間を揺らした。みんながみんな、自分もああなるのだ、という残酷な悲劇の予感に怯えている。そんな女たちに構うことなく、男は獰猛な声を張り上げた。
「次だ次！早くしろ！じゃねぇと俺があの変態爺にどやされんだろうが！」

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