開久高校の中性的美少女【今日から俺は】 (ページ11)

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じゅーいちページ11

腕を引っ張られたままだったので、引きずってもらっていたら、重いと怒られた。
女子に重いは禁句だぞ！！ていうか引っ張り始めたのそっちな！！

＿＿＿＿＿＿＿＿in 開久

入学してから初めて開久の溜まり場に来た。
みんないかにも悪そうな顔をしている。

明らかにツートップが座れるような椅子が置いてあり、1番大きい椅子に頭らしき人物が座っていた。

うわ、めっちゃ強そう。

そんな強そうなやつの前に、相良に背中を押されて出される。
鋭い視線が自分に向けられ、背筋が伸びた。

「智司。噂の「幻の王子」連れてきたぞ。」

「ふぅん、そいつが「幻の王子」か」

『ふふっ、…………んぐっ！』

真面目な顔でまたもや恥ずかしい名前を言うのでツボる。
吹き出しそうになると、相良に背中を殴られた。痛い！！と相良を睨むと、目で自己紹介しろと言われる。

『……俺が噂の「幻の王子」だ。本名は蒼井 A。
何度も呼びに来ていたが、何か用か？』

挑発的に言うと、空気がピリッとする。
え、こっわ。ごめんて、そんな喧嘩するつもりはないよ！？

「ふうん、俺に何度呼ばれて来ないなんて、ボコられる覚悟は出来てるんだろーな？」

『うわ……』

こんな強いやつ相手したくないよ。勝てなくはないけど怪我はするよ。嫌だよ。

『相良、どうにかしてくれよ』

こそりと相良に言うと、眉を寄せられた。

「んでだよ！大人しくボコられろ。」

昨日助けてあげたのに、なんの感謝もないらしい。
朝ごはんを使ったからチャラってか？そんなに甘くねーぜ。

『相良、昨日は一夜を共にした中なのに見捨てるのか……？』

少し頬を染めて、涙目で相良を見つめる。

「どういう関係だ！？」とざわつくモブたちに、「いいぞもっと言え(ゲス顔)」と内心思う。

とりあえず、相良を焦らせて、ここから俺を連れ出させたい。
連れ出すまでこいつらに誤解を招かせるような発言してやるからな。

『隅から隅まで相良のお世話させられて大変だったんだぜ？俺…………』

迫真の演技でいかがわしい雰囲気を出していく。

この空気に耐えられなくなった相良は、「だぁぁ！！」と叫び、「こいつは俺に任せろ」と言って俺を連れ出してくれた。

よっしゃ。計画通り。

まぁ、もし本当にボコられても、こいつ(怪我人)になら余裕で勝てる。

なんて最低なことを考えながら、その場をあとにした。