42話 ページ44
「でも口移しほしいからしてよ」
そうやって俺が強請ると、デュースはまた薬を探し始める。見つけて口移ししてきてくれるから、素直に受け取ってデュースの首を撫でた。
「ごめんねぇ、今俺だいぶキモいでしょ」
「いや……そんな状態の人間に何を言われても元気があってよかったとしか思わない……」
「かわいいって思ってほしいんだけどね」
「君がそういう言動をする度いつも心配が勝るんだが……精神でも肉体でも……」
「心配してくれてありがとうね?俺は大丈夫……お前居るからマジで大丈夫になった」
「……」
デュースは俺を見て顔を顰めた。何か気に障ったかと思って不安になる。
「……居なくなったから農薬を飲んだりとか……そういうことをしたのか?」
「そりゃそうよ」
「それでも僕のことが好きかどうかわからないのか?」
「ううん、今はちゃんと好き……どっか行ったりしないで」
「……」
「また好きだかわかんなくなるかもだけどマジで今はちゃんと好きだから。嘘じゃない……来てくれて本当に嬉しい」
「不安だったよな」
「不安だったよ……このまま死ぬんだと思ってた……でもなんで生きさせたの……お前に捨てられるなら死んだ方がマシなのに」
「そ、……そんなことをずっと思ってたのか?」
「これはずっと思ってたよ……嫌われたくないって言わなかったっけ」
「そんなことをずっと思ってるのに好きかどうかわからないのか……?」
「わかんなかったね。わかんなかった……でも今はわかるよ……?」
デュースを見上げると、溜め息を吐かれる。
「……式、開いてないんだ。君の返事がなかったから」
「え……?」
「君の為に開こうと思ったのが大きいから先に君だけに送ったのに、全然返事がなくって……そんなに忙しくない仕事の筈なのに……当日なら来てくれるかと思って飲み歩いてたんだが一向に返事が来なくて……心配になって、今ここにいる」
「……」
「妻とは色々話し込んで、今は判断を待ってもらっている。君のことも言った。判断を仰いだのに返事がないから……諸々難色を示されているが……」
「寝たっつったの!?」
「言う訳ないだろ!?恋人だったとも言ってない!」
「ああ……よかった……慰謝料ですごいことになるかと思った」
「……どうする?」
どうする?と、そう聞かれても、わからない。農薬で焼かれた脳が理解を拒んでいて、ほとんど何も理解できていない。
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功徳(プロフ) - くずきりさん» わーい‼️全部読んでくださってる……いつもありがとうございます🥰今後ともよろしくお願いします💦 (11月10日 22時) (レス) id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
くずきり - 初コメ失礼します、語彙力イカレてますがぶっ飛びそうな位好きです。主可愛くて愛おしいしスペード可愛い極まりないのに最後でうわ〜て感じ噛まして来て、結局お互いの事も自分の事も一番みたいな…作者様の作品全部好きです応援してます、今後とも応援させて頂きます! (7月28日 22時) (レス) @page47 id: cd8b5937a1 (このIDを非表示/違反報告)
功徳(プロフ) - ???さん» ありがとうございます!よかったです!嫁との仲直り(気色悪い隠語)はさぞかし優しくて愛情を感じるものになったと思ってます(でも結局夢主が最終的に結婚を認める形式で浮気を最初に許容したのが悪い) (5月29日 17時) (レス) @page50 id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
??? - 初コメ失礼します。作者様の作品に一目惚れし、バットエンドやシリアスが好きになった者です。最後の最後にデュースが爆弾をぶっ込んで来て、頭を抱えていても立ってもいられなくなりコメントしました。作者様の書く小説が大好きです。失礼しました。 (5月28日 23時) (レス) @page50 id: fb57b657b4 (このIDを非表示/違反報告)
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