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2話 ページ4

彼女は黙りこくって、じっとイモリを眺め続けている。


「……こいつさあ、俺昔捕まえて飼ってたんだけど。ここだとどこにでも居るし、かわいーじゃん?」

「うん」

「理由わかんねーんだけど脱走されてさ、半年くらい後、大掃除した時テレビの裏からミイラが出てきて」

「うわあ!」

「ちょっとトラウマなんだよなー。だから捕まえて飼うなら、カエルとかザリガニとか別のにしようぜ。かわいいの他にも居るよ」

「……うーん」


顔を膝の中にぐっと押し込めて、薄目でイモリを見ている彼女の目には水面が揺れていた。


「……逃げちゃった理由わかんないの」

「うん。蓋もきっちり閉まっててさ。マジ意味わかんなかった」

「カエルもザリガニも、水槽から逃げちゃったら水なくて干からびちゃうよね」

「そうだね」

「……じゃあ、やめといた方がいいと思う」

「うわ偉。……じゃあさ、ちょっと餌持ってくるから待っとき」

「餌?」

「あげたらパクってしてくれるかもしんねーじゃん。見たくね?たしか倉庫に余ってるから」

「見たい……」

「あはは、あははは!マジで見たそーじゃん。かわいいもんね。見たいよな。あんま動くと逃げちゃうから、静かに待っててな」


俺がそう言って肩を竦め、驚かさないようイモリに自分の影が重ならないよう動いて立ち上がり背後を見ると。

デュースが、立ち尽くすように庭の真ん中でこっちを見ていて──俺と目が合うと、目を逸らす。

無性にイラついた。


「……入ってくるなよ。マジでお前今は邪魔だから」

「……ああ」


すれ違いざまにわざと軽く肩をぶつけてそう言うと、デュースは素直にそう返事をしてくる。


「……それでいいんだよ」


そう、言い聞かせるようにして──相手は自分かデュースか、わからないけれど。


「……生きてて恥ずかしくねーのかよ、ゴミ」

「……」

「あーあ、むしろ俺が1番恥ずかしいぜ。お前がこんな……こんなさあ。お前と関わってた過去全部黒歴史だよ」

「……」

「余計なことだけはするなよ。お前無能すぎ。取り敢えず俺がどうにかするから、マジで場を乱すな」

「……わかった」


顔を辛そうに顰めて、しかし自嘲気味な笑みを浮かべるデュースに尚も腹が立ち、ぶん殴ってやろうかと逡巡するが。

彼女が振り向きそうなのでやめた。

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功徳(プロフ) - くずきりさん» わーい‼️全部読んでくださってる……いつもありがとうございます🥰今後ともよろしくお願いします💦 (11月10日 22時) (レス) id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
くずきり - 初コメ失礼します、語彙力イカレてますがぶっ飛びそうな位好きです。主可愛くて愛おしいしスペード可愛い極まりないのに最後でうわ〜て感じ噛まして来て、結局お互いの事も自分の事も一番みたいな…作者様の作品全部好きです応援してます、今後とも応援させて頂きます! (7月28日 22時) (レス) @page47 id: cd8b5937a1 (このIDを非表示/違反報告)
功徳(プロフ) - ???さん» ありがとうございます!よかったです!嫁との仲直り(気色悪い隠語)はさぞかし優しくて愛情を感じるものになったと思ってます(でも結局夢主が最終的に結婚を認める形式で浮気を最初に許容したのが悪い) (5月29日 17時) (レス) @page50 id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
??? - 初コメ失礼します。作者様の作品に一目惚れし、バットエンドやシリアスが好きになった者です。最後の最後にデュースが爆弾をぶっ込んで来て、頭を抱えていても立ってもいられなくなりコメントしました。作者様の書く小説が大好きです。失礼しました。 (5月28日 23時) (レス) @page50 id: fb57b657b4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わたし | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2023年1月8日 20時

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