23話 ページ25
「僕が浮気したから、以外に、何かあるのか……?」
「……」
「君が何を考えているのか教えてほしい。きっと、どこかでは僕は役に立てる」
「……」
1から100まで全部箇条書きで教えてやろうかと思うが、そうしたらきっとデュースは頑張るだろうと思うが──思うから、ちゃんと俺も努力をしたいと思った。
「……俺は幸せになりたくて泣いてんのよ」
その答えに対しては、流石に何も言えないようで。やっぱり言ったことを後悔した。後悔すると思ってて言った。ちゃんと後悔しているから、笑いすら今は出なくて、ちゃんと説明する義務が発生したと思った。
キッチンの隅に積まれている酒どもを指差して。
「お酒飲ましてぇ?」
「……」
「あん中で1番度数高いやつ……ウイスキーか?ウイスキーロックで……コップそこ……口移しして……」
「な、なんで……?」
精一杯恥を感じていないかのように押し殺し振る舞い、自分からなんでも言える状況を作ってやっているところ呆気にとられた顔でそう言われ流石にどつき回してやろうかと思ったがすんでのところで止めた。
「ティッシュとって……いやいいや。俺の泣いてるのデュースの服で拭いてよ……」
「なんだか子どもみたいなことを君は……あ!」
デュースが声と表情に喜色を浮かべるから、嫌な予感はしていた。
「なんだか少しわかった気がする!」
「テメーオイぶち殺すぞ!!!」
「あっはははは!」
思いの外大きな声が出たけれどデュースに全く驚いた様子はなく変わらず楽しそうにしていて、舌打ちが出た。溜め息を吐いてデュースをぐいと無理矢理自分の前からどかしてさっさと部屋に戻ろうとすると、デュースはキョトンとした表情で俺の腕を掴む。その力が思いの外強くて、もう一度溜め息が出た。
「やるんだろ?」
「……」
そう言われて手を広げられ、何も考えずにそこにおさまってしまった。俺がねだった通りに服で涙を拭かれる。
「ふふふ……ほら、もう泣くな」
「お酒をください……」
「あげるから……ちゃんと口移しでな?はいはい、ピヨピヨかわいいな」
「もうテキトーじゃんお前」
「口移しってやったことないんだが」
「フツーにやってくれたらそれでいいの……何も考えなくていい……」
「……だいぶやられてるな、大丈夫か?」
デュースが本当に心配した顔でこちらを見ているから、胡乱げな瞳を返した。瞳を逸らされる。
30人がお気に入り
「ツイステ」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
功徳(プロフ) - くずきりさん» わーい‼️全部読んでくださってる……いつもありがとうございます🥰今後ともよろしくお願いします💦 (11月10日 22時) (レス) id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
くずきり - 初コメ失礼します、語彙力イカレてますがぶっ飛びそうな位好きです。主可愛くて愛おしいしスペード可愛い極まりないのに最後でうわ〜て感じ噛まして来て、結局お互いの事も自分の事も一番みたいな…作者様の作品全部好きです応援してます、今後とも応援させて頂きます! (7月28日 22時) (レス) @page47 id: cd8b5937a1 (このIDを非表示/違反報告)
功徳(プロフ) - ???さん» ありがとうございます!よかったです!嫁との仲直り(気色悪い隠語)はさぞかし優しくて愛情を感じるものになったと思ってます(でも結局夢主が最終的に結婚を認める形式で浮気を最初に許容したのが悪い) (5月29日 17時) (レス) @page50 id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
??? - 初コメ失礼します。作者様の作品に一目惚れし、バットエンドやシリアスが好きになった者です。最後の最後にデュースが爆弾をぶっ込んで来て、頭を抱えていても立ってもいられなくなりコメントしました。作者様の書く小説が大好きです。失礼しました。 (5月28日 23時) (レス) @page50 id: fb57b657b4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ