君と僕の方程式【mfmf】

2話 ページ16

彼女はクラス、学年単位ではなく、学校中で知れ渡る美人だった



彼女の周りにいる人たちは全員ケバい化粧をして、髪の毛を派手に染めていた



その中に一人、ほぼメイクもせず黒髪ロングの美人がいるんだ



そりゃみんな目に付く



顔だけ見ると少しつり目気味の清楚な美人



だが制服は着崩していて、いつもパーカーを着ていた



授業もあまり真面目には受けておらず、僕は彼女を怖いタイプの女子。と認識した



そして、一番の権力者であると高校生ながらに感じた



ある授業中、彼女を取り巻く人たちが授業にならないほど騒いでいたことがある



女性の先生だと舐められていたのか、いくら注意しても無駄だった



僕達も集中どころか、面白くもないのに甲高く笑う声にイライラすらしていた



そんな時だった



「私眠いから、静かにしてね」



彼女のその一言で、まず男子が動き出した



新庄…？とか言う奴が、静かにするように仕切り、取り巻きの女子も仕方が無いという感じで爪をいじり出す



当の本人は知らん顔である



授業がうるさくなるたびに同じことを繰り返していた



彼女は授業中、ほぼ喋らず



かと言って眠るわけでもなく



たまに教科書をパラパラとめくっては閉じ、窓の外を眺め続けていた

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