椿の花が一つ落ちた。 ページ2
黒い髪を後ろで一つにまとめ、パンツスーツを着用。胸元には白い花のバッチをつけている
冷たい人形の様に無表情でとても美しく不気味な女
彼女のことを表すならこうだろう。廊下には俺の靴音しか響いていないのだから、不気味だと思っても仕方がないだろう
首領に女を連れてきたことを告げ元の持ち場である
｢あの女、要件はなんだと思うか？｣
もう一人の警備のやつに話かけられる。生きて帰られるか判らないのに気が早すぎるんじゃないかと適当にあしらう
……しっかし。あの女、どこかで見たことがあるような
ふと、女の身につけていた胸元の花が脳裏に浮かぶ
｢なんだよ。今日で退職するからって冷たくなるなよ｣
｢悪い悪い、あれほどの美女と歩けたのが嬉しくて……なんてな。まぁ最後くらい先輩らしくかっこよく退職させてくれよ｣
俺は本日付けで自主退職をすることになっている
女が部屋から出て昇降機を降りたのを確認、または定時で上がればポートマフィアの本社に足を踏み入れることはもう無い
｢ありゃりゃ。定時になったぜ。先輩、今までクッソお世話になりました！！｣
｢60にもなるおっさんを敬っているようには聞こえないのだから不思議だ｣
｢あーあーせっかくの美女だったのに、首領の琴線に触れることさえしなけりゃ、俺も美女と一緒に歩けたのに……｣
ぶつぶつと言う後輩を背に社員用の昇降機を降り外に出る
＿＿＿そうだ。あの花の名前は
空が見える。体がやけに重い。目も霞んでいるようだ
｢お疲れ様でした。貴方の罪は貴方の死によって償われます｣
椿
彼女は生きていたのか。
……彼女とは誰のことだ？
続く
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かなで(プロフ) - こめこさん» 返信遅れてすみません！コメントありがとうございます。夢主の話が主軸になってしまいますが、楽しみにしてくださる思いに応えられるように話を進めたいと思います。重ね重ねですが、ありがとうございます。 (2019年7月3日 22時) (
レス) id: 5c0695dae3 (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - コメント失礼します！状況の説明が丁寧で素敵です！広津さん落ちあまりないので続きが楽しみです！更新頑張ってください！ (2019年6月30日 12時) (レス) id: a5ceb500b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かなで | 作成日時：2019年2月11日 8時
