椿の花が咲いた。 ページ1
『お前にとって、【愛】はなんだ』
遠い昔。たった、そう。たった一度だけ見抜かれたことがある
【愛】が私が生に縋り付かなければならないのだと、初めて見抜かれたのである
問いかけた男は右端の窓台に座り、反対側にある花瓶の中の白い花を見つめている
私は僅かに眉をひそめた
『愛は美しく、尊く、一歩間違えれば狂気になってしまうもの』
愛するが故に傷つけてしまう者。独り占めする為に閉じ込める者。愛の為ならば命を捧げる者もいる
私の解答は本心ではなかったとしても、どこも間違ってはいない
＿＿＿そういう事を訊いたんじゃない、と彼の視線が私に移る
眉をひそめたことを誤魔化すために少しだけ笑みを浮かべる
『私の生きる理由よ。誰であろうと言葉にすると喪失してしまう』
銃声が私の頭の中に木霊する
花瓶の中の花が落ちた
私の手には冷たく慣れきっている感触の拳銃がある
拳銃がいつもより重たく感じるのは、私に芽生えているこの気持ちに比例しているのだろうか
まあいい。私には関係の無い話。この気持ちも一夜の夢
私は生きなければならない。絶対に
『さようならヨルト。今までありがとう』
彼が白い花をどこか酷く懐かしいようで、優しく悟りを開いたかのような目で見つめていたのも。その白い花が椿の花だったのも彼らしくない。
これはきっと。親子の情のものである
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かなで(プロフ) - こめこさん» 返信遅れてすみません！コメントありがとうございます。夢主の話が主軸になってしまいますが、楽しみにしてくださる思いに応えられるように話を進めたいと思います。重ね重ねですが、ありがとうございます。 (2019年7月3日 22時) (
レス) id: 5c0695dae3 (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - コメント失礼します！状況の説明が丁寧で素敵です！広津さん落ちあまりないので続きが楽しみです！更新頑張ってください！ (2019年6月30日 12時) (レス) id: a5ceb500b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かなで | 作成日時：2019年2月11日 8時
