その背中に触れたい【虎杖悠仁】

20.目論見 ページ22

東京校、京都校
それぞれ指定された配置につき先生の合図を待つ
このレースの本来の目的は
呪霊の討伐だが多分そうはいかないと思う



「それでは姉妹校交流会
スタァーーーートォ！！！」



先生の放送でレースが始まった



「例のタイミングで索敵に長けた
パンダ班と恵班に分かれる
後は頼んだぞ悠仁」

「オッス！！」


真希さんの指示に悠仁が元気よく返事をした途端
伏黒の玉犬が反応する


「ぃよーし！！全員いるな！！
まとめてかかってこい！！」


茂みの中から化け物のごとく東堂が現れ
間髪入れずに悠仁が前に出て攻撃をし
真希さんの合図で二手に分かれた


「東堂一人でしたね」

「やっぱ悠仁に変えて正解だったな」

『ですね！
はーーびっくりした』


ほんとに一瞬化け物かと思ったけど
悠仁ならきっと大丈夫だよね

私は伏黒たちと一緒に
玉犬を頼りに目的の呪霊を探しにかかった






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━━━━
━…




「変です」


しばらくして伏黒が口を開く
どうやら京都校全員がまとまって移動してるらしい
さっき悠仁と分かれたあたりの場所で…


『ねえ、もしかして』

「ああ」


当たってほしくない予感


「アイツら虎杖殺すつもりじゃないですか？」

『…！！！』

「あ、おい！」

「まてA！！」

「はや」

「ったく、追いかけるぞ恵」


貌好花を発動させ最速スピードで
さっきの悠仁の元へ向かう


(冗談じゃない
ふざけるな)


アイツらの頭は腐ってんのか

いや…多分あれが普通なんだ
宿儺、呪いの王の器
悠仁のことを何も知らない人からすると
ただの呪霊を祓うのと
感覚としてそう変わらないのかもしれない


だとしても人だ
ちゃんと意思を持った善人だ

それに、

(悠仁は私の大切な…)


地面を蹴る足により力がこもり
蹴った土がえぐれる


もう手放してやるもんか
今は元気も有り余ってるし
走れば手が届く距離にいる
真っ直ぐ走ればそこに悠仁がいる


ポケットのスマホが鳴り
ワンコールで出ると野薔薇ちゃんからだった


「もしもし？緊急事態。虎杖が、」

『伏黒も気付いた、コチラはもう向かってる』

「了解」


手短に済ませ電話を切り
誰かが木を薙ぎ払ったのか
少し開けた場所が見えてきた


そこに悠仁らしき人影と
木の上から悠仁に銃を向ける長身の


『あんの、クソアマ！！』









パンダ班



「向こうはもう向かってるらしいわ」

「早いな、俺たちも行くか
じゃあ後でな」

「しゃけ」

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