その背中に触れたい【虎杖悠仁】

2.呪術高専 ページ2

東京駅で待ち合わせだということで
約束した改札口に向かっていると

長身の目隠しした全身真っ黒の人が
「あ、こっちこっち〜」
と手を振っている


(最強の呪術師…)


この業界にいて
知らない人はいない
あの五条悟だ…
あの五条悟が直々に迎えに来てくれるなんて



「はじめまして〜五条悟です」

(知ってます…！！)

『はじめまして、杜若Aです…！』

「カキツバタ、あー君はあの家の子だね？」

『はい！』


それほど有名な一家なわけではないが
五条先生は知っていてくれたらしい



杜若一家とは

代々その花の名に則った術式と斬鉄剣が
受け継がれていく

父から受け継いだこの術式は
通常だと自分の身体能力、動体視力が格段に上がるというシンプルなものだが
なぜか私にだけ
相手を強い酩酊状態に陥し入れるという効果もあった



呪力、術式の精度が良ければ良いほど
効果も比例して強くなる



父が戦っているところを何度か見たことがあるが
斬鉄剣を握りしめ
術式を発動させた時に発生する
カキツバタの青紫色の花びらを舞わせながら
戦うその姿は

幼いながらに綺麗だと思った



「それじゃ、とりあえず学校に行こうか。
事前にカスタム頼んでもらった制服も
もう届いてると思うよ
もうすでに学校についてる生徒が1人いるけど
仲良くね」

『頑張ります』

「はは」



緊張で全然喋れない
笑ってくれてるけど
ほんとに笑っているのだろうかこの人は


でも、でも五条先生に会えたら
頼みたいことが私にはあった


『…あ、あの！』

「ん？」


意を決して言うと立ち止まって
こちらに顔を向けてくれる


『あ、握手、してもらってもいいですか…！』

「え？全然いいよ
はい、握手」

(わーーーーー！)

「これからよろしくね」

『こちらこそ、よろしくお願いします…！』







〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




呪術高専には学長と面談の時に
一度訪れたけど

何度見ても圧巻だ




学内の案内、寮の部屋
新しい制服に
誰もいない隣部屋


後日遅れて女の子がもう1人入ってくるらしい


(どんな子だろう…
仲良くなれたらいいな)




新しい制服に腕を通し
不安や寂しさを隠すように
早急にシャツのボタンをしめた

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