貴方と共に果たす復讐【荼毘】 (ページ22)

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ドクターに相談したのはその後すぐだった。

ﾄﾞｸﾀｰ「身体能力と個性を強化してほしい？」

『はい』

即答した私の返答にドクターは唸った。

ﾄﾞｸﾀｰ「できないことはないが...」

ドクター曰く、身体にものすごく負荷がかかるという。

さらには長い時間意識を失って眠っている状態になるのだとか。

『それでもいいです、やってください』

ドクターはしぶしぶ頷くと、すぐに用意をしてくれた。

私は謎の液体に満たされたカプセルに入れられ、そのまま長い眠りについた。

荼毘 side

荼毘「ンでだよ」

俺はそこにあるソファーにどかっと座って呟く。

世間でいう"神野事件"が終わって、俺達も少し落ち着いた。

オール･フォー･ワンは収容、こちらも怪我は多少あったが死に至るほどじゃねェ。

事件の幕は閉じた。

そう思っていた。

荼毘「A」

黒霧のワープで避難したAがいつまで経っても帰ってこないと気づくまでは。

あれから何日か過ぎたのにも関わらず、一向に帰ってくる気配はない。

そんな中、唯一場所を知っている死柄木が確認しに行くことになった。

＿＿＿一人で(・・・)帰ってきた死柄木はいつにもなく暗い顔をしていた。

トガ「なんでAちゃんは帰ってこないんでしょう..」

ﾄｩﾜｲｽ「心配だよなぁ」

死柄木は、Aについて｢しばらく戻ってこないらしい｣とだけ言った。

あの様子からして理由は知っているのだろうが、とても聞き出せる雰囲気ではなかった。

あれから俺はめんどくせェ仕事を放ってAを探すことに徹した。

手当り次第に怪しい奴を調べて一晩中走り回った。

それでも、Aは見つからなかった。

荼毘「意味わかんねェ...今更逃げるのかよ、オイ」

もう暗くなった空を見上げて、そう言葉をこぼす。

俺と一緒に復讐を果たしてくれるんじゃねェのか？

そんな言葉も虚しく空に散る。

胸が締めつけられながらも俺は歩き続けた。

ｽﾋﾟﾅｰ｢Aはまだ帰ってこねぇのか｣

Mr｢死柄木は知ってるだろうが、前よりオーラどぎつくなってるし聞けねぇよな｣

数週間たったある日、そんな2人の会話が耳に入ってくる。

死柄木は相変わらず、というか前よりもAについて話し難いオーラを纏っていた。

ワープさせた黒霧もその後については何も知らないらしい。

一応義蘭にも聞いてはみたが知る由もなかった。

荼毘｢どこにいるんだよ｣

2人には聞こえないように小さく言葉を吐いた。