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連合に仲間が加わって早1日。

私はいつも通り部屋で留守番をしていた。

今日は用事があるとか何とかで、弔くんと黒霧、そしてトガちゃんが出掛けていた。

義蘭は相変わらず仲間集めに勤しんでいるのか顔を出さない。

荼毘さんも今日はまだ来てないけど、気分屋っぽかったし来ないかもなぁ。

テレビの音で暇な時間を紛らわすため、リモコンを手に取った。

と、そのとき。


荼毘「お前1人かよ」


『わ!荼毘さん!』

いつの間にか荼毘さんが来ていたが全然気が付かなかった。

ゆったりとした足取りで近づき、私の隣に腰を下ろす。

『みんな出掛けちゃいました』

そう言うと荼毘さんは、俺にも言えよ というふうに顔を顰めた。

荼毘「それで、Aは留守番でもさせられてんのか?」

『...あんまり外出るなって言われてるんで』

基本、誰かと一緒じゃないと外は出られない。

弔くんや黒霧はただでさえ目立つので、私が外に出る時はいつも義蘭が着いてきてくれた。

といってもまだ3回しか行ったことないけど。



『あ、コーヒー飲みます?』

荼毘「飲む」

荼毘さんの返事を聞いて、私は2人分のコーヒーを淹れる。

豆の香りが部屋中にふわりと漂った。

荼毘「そういや気になってたんだが、お前、どういう経緯で死柄木と兄妹になったんだ?」

ふたつのカップを手に持って歩く私を見つめて荼毘さんはふとそう言ってきた。

私は、うーん と言いながら荼毘さんに片方を手渡して再び隣に座る。

そして、淹れたてのコーヒーを一口飲んだ。


『話せば、長くなるんですけど、』

そうして荼毘さんに事の一切を打ち明けた。

昨日初めて出会って、ほぼ初対面といっていい程なのにスラスラと言葉が出てくる。

本能的に、この人は大丈夫という確信がどこかにあったのだろう。

両親のこと、先生に引き取られたこと、個性のこと。

特につっかえることなく、全てを話した。

荼毘さんは大きく驚いたりはしなかったものの、少し顔を歪めたりしながらも黙って聞いてくれた。


『と、まあこんな感じです』

荼毘「...俺に話して良かったのかよ、それ」

そう言う荼毘さんの顔は、前に私の話を聞いてくれた弔くんと同じような複雑な表情をしていた。

『なんとなくですけど、大丈夫かなって』

荼毘「ハッ、やけに信用されてんなァ」


ただ、弔くんと違っているところを挙げるとするならば。



話し終わったあと、くしゃりと私の頭を撫でてくれた事だろうか。

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猫舌民族 - 凄く面白いです!自分は弔くん推しなのですが荼毘推しになりそう…応援してます頑張ってください! (2023年1月25日 21時) (レス) @page15 id: fee7097d1d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:つくし | 作成日時:2023年1月19日 22時

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