橙と私

#3 ページ3

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お酒もおいしくないし



いろんな香水とアルコールの混ざった匂いも好きじゃない。





こんな人混みで桜子を探す気にもなれなくて。









・・・帰ろっかな。









まわりをキョロキョロして出口を探す。









低身長がゆえに



いつものように背伸びをして









『わ、っ・・』









脇の下から支えてくれている腕に気付いて









『あ、あの、ごめんなさ・・・・』





「大丈夫？」









腕をすり抜けて振り返ると、









心配というより眉を下げて笑いながらわたしを見る






派手な髪色の男の人。









足ひねった？いたくない？と顔を覗き込まれて





動けずに固まってしまう。









「ん？もしかして俺のこと知ってる？」








もしもーし、と余裕そうに話しかけるその態度に



なぜか急に苛立ってしまって









『・・っ知らないです。』









ありがとうございました、と浅いお辞儀をして



そそくさとその場を離れる。








さっきひねった足首は痛みを手放さないけど




とにかくこの人から離れたかった。









そっか、クラブってこういうところだよね。







キラキラ眩しい桜子を見て羨ましいなんて思ったけど、









突然男の人に話しかけられて




顔を覗き込まれて









少しどころかとてもパニックになってしまった。









わたしってこんなに男の人苦手だったっけ。






それとも・・・？









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