１． ページ1
〜？？？？？ side〜
2月28日
俺はあまりこの日が好きではない
なにかモヤモヤしたものが心を覆い、気持ちが悪い
両親は毎年この日は会社を休む
なぜだかは知らない
ただ、良い事ではないのは確実だった
その日両親は必ず2人で部屋に籠り泣いているのだ
俺も何故か泣きそうになる
分からない
なにか、何かに霧がかかっているかのような感覚
何か分からない
何か忘れている？
何かが引っ掛かって分からない
両親は偶に俺の頬に触れ、抱き締めてくる
何かを確認するかのように
泣きながら
そして誰かに電話をしているのも見かける
内容は分からないが
俺はその日、決まって夢を見る
現実に近く、必ず1人の女が出てくる
顔も声も分からない
霧が掛かっている様になってるからだ
今日も又、同じ夢を見る
1人の女がベンチに座っている
周りは真っ暗
女の口が動く
声が聞こえないので何を言ってるのかは分からない
髪はミルクティーの様な柔らかい色
瞳は...霧が掛かっているようで分からない
夢の中で俺は意思で動くのではなく、勝手に動いている
だから、自分が自分ではないみたいだった
自分の体は勝手に動き、女の横に座る
まるで、寄り添うかのように
また、女の口が動く
それに答えるかのように自分の口も動く
そして何故か自分の声さえ聞こえなかった
気付くと自分と女が遠のいているのが分かった
こうなると何時も目が覚める
でも、今日は少し違った
女の声が少し、聞こえたのだ
「...い...く....ら...て...」
それしか聞き取れなかった
だが、声が聞こえた
その声を受け入れたくないのか、頭に鉄球が当たったかのような衝撃が流れた
その衝撃が残ったまま目が覚めた
思わず頭を押さえる
夢で感じた痛みがあるのだ
ふらふらな状態でベットから降り、制服に着替える
下に降りると両親は驚いた様な顔をして近寄って来た
「...どうしたの？顔真っ青よ？」
「今日は安静にしていたらどうだ」
急いで洗面所に向かう
鏡を見ると真っ白になった自分の顔
自分でも驚いた
そしてその間にも頭痛は酷くなる一方だった
その後、両親に心配され学校を休むことになった
ベットに横になって改めて考えてみる
俺はあの女を知らない
ただ、何処か懐かしさを感じる
それも理由は分からない
自分の中では謎の存在でしかなかった
そして、女の事は両親に話していない
その女が両親が泣く理由に関係があるのなら、知ってみたいが
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 153人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白玉色の赤えのぐ - 34、『じゃあ』じゃなくて『じゅあ』になってます。あと2こ目。更新頑張って下さい (2020年10月8日 7時) (
レス) id: 199b62a433 (このIDを非表示/違反報告)
猫( ≧∀≦) - 初コメ失礼します。内容、面白かったです！更新頑張ってください！(о´∀`о) (2020年9月30日 15時) (レス) id: f22a91ac1d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
