検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:23,735 hit

ハイ・ライフ《Takuya side》 ページ19

▪▪▪





「緊張したぁぁあ………」




助手席で大きく息を吐く千里。紅里さんへの挨拶から数日、今日は俺の実家に来て挨拶をした。




江「緊張したのは俺のほうだって。あんな父さん初めて見たし」

「でも、優しそうなご両親だったよ」

江「そうか?」

「そうだよ。さすが拓也のお父さんとお母さんってかんじ」

江「………これであとは社長か」

「怒られるかなぁ」

江「怒られはしないだろ。いや、そっちの社長知らないけど」

「そう言えば拓也って妹いたよね。どの辺にいるの?」

江「あぁ、あいつには電話で話したよ」

「え!いつの間に?私から言わなくてよかったかな……」

江「なんでだよw そういうとこはほんと男前だな」

「ちなみに、なんて言ってた?」

江「あー、『え、お兄ちゃんに彼女どころか結婚相手?……してくれる人いたんだぁ。私おねえさん欲しかったんだよね、今度紹介してよ』」

「き、緊張するなぁ」

江「東京住んでるからいつでも都合は合うだろ。
そのうち紹介するよ」

「わ、わかった」

江「………」

「………どうした?」




視線に気づいたのか『ん?』と首を傾げている。




江「うんん、なんでもない」

「なんだよ、気になるだろ〜」




わざと拗ねたような口調で唇をとがらせた千里の頭を、
クシャクシャっと撫でる。

才色兼備で、いつも明るくて、周りにいる人みんなに優しくて、芝居に対しては誰よりも真っ直ぐで、真剣で………。


彼女にはいい所がたくさんある。



優柔不断で、たまにバカで、自分のことには鈍感でお人好し、泣き虫なくせに笑って誤魔化そうとしがち……。


彼女の欠点だって愛おしい。



変わり続けるこの関係にたくさんたくさん悩んだけど、今、こうして隣にいられてる。それがどれだけすごいことか、奇跡的なことなのか、最近はよくそんなことを考えてるよ。



全てを理解して尊重することは出来ないかもしれないけれど。俺らの意見や考えをみんながみんな受け入れてくれるわけじゃないだろうけど。

それでも、たくさんの人に愛されて、たくさんの人に笑顔を届ける君の、小さな夢を一緒に叶えてゆきたい。

それはきっと、変わらないから。





初めて天使に会った、あの瞬間から───





───

アメリカンビューティー→←ミモザ《Takuya side》



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (50 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
97人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ななき。 | 作成日時:2019年5月7日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。