四月の天使に叶え【江口拓也】

アンジェロ ページ5

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「おはよ、まった？」

江「ちょーまった。おかげで予定の乗遅れた」

「お兄さん？そこは『ううん、俺も今来たとこ』ってカッコつけて、さらっと服装を褒めるところだよ」

江「今更卯月にかっこつけても……。服は相変わらずキマってる」

「………それもそうか。そしてありがとう。拓也もキマってる」

江「………どーも。じゃ、行くか」

「おー！」





江「あとは、あそことあそこかな」

「あそこも行きたいな。新作出てるって」

江「あー、いいね」




私たちの間で度々繰り広げられる買い物の日。主に服。そして服。更には服。ついでに服……と、服ばかり買う日だ。
お互い洋服好きということもあり、2ヶ月に一度くらいのペースで開催している。



男性と服を買いに行くと、


『ねぇ〜、これとこれどっちが似合うー？』

『あー……何が違うの？』


などというようなことが頻繁に見られるが、拓也と来たらそれがまずない。普段からオシャレだということももちろんだが、服を上手に魅せる術を知っているのだろう。

だから的確にアドバイスをしてくれる上にコーデまでしてくれちゃう。




しかし残念ながら服以外のセンスはからっきしなのだ。

たまに私に付き合って雑貨を見ることもあるが、拓也は変なの………個性的なのしか買わない。彼の独特のセンスは、恐らく彼が死んでから評価されるものだろう。

………いや、既に評価されてるんだっけ？なんかスタンプやら本やら出てるって妙な風の噂で聞いたような………。




江「お前今めちゃくちゃ失礼なこと考えてただろ」

「……何を言いますやら。んでその真っ赤な猫の時計どうすんの」

江「もちろん飾る」

「家に？」

江「うん」

「あー………そう」

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